卒業生のひとりが [2010年11月18日(Thu)]
人懐っこい笑顔が印象的な女の子だった。伝統医療研修クラスの最年少。得意の歌唱力が買われてテレビでも活躍していたとか。個人的にも外国人の私に積極的に好意を表現してくれる有り難い存在であった。研修コースを卒業して1年が経とうとしていた矢先に悲報が入った。プノンペン郊外を母親とバイクで移動中,トラックと正面衝突し21歳の生涯をおえた。つい先日,帰宅途中にマーケットですれ違い笑顔を交わしたばかりである。来週おこなわれる卒業生を中心とした伝統医療協会の開会式で皆と再会する予定だった。当然ムードメーカーとして会場を和ませたに違いなかった。 7日葬儀をすませた,お宅に焼香に伺った。嫁と愛娘を一度に失った不幸な夫が不在だったのは幸いである。合わす顔がない。従姉妹が対応してくれた。故人が在学中に何度か面識がある。彼女が気丈に対応してくれた。曰く,在学中はいつも学校の話をし,有りがたいことに私との会話などについても楽しげに話していたという。 昨年,1泊の野外活動でシハヌークビルに行った時のこと,彼女とクラスメートが夜の砂浜に連れ出してくれた時の事を思いだす。片言の英語ではあったが「将来,医者になって,カンボジアで初めての女医クルクメールになる」のだと言っていた。 卒業後,医学部ではないが大学に進学したと聞いていた。これから持ち前の明るい笑顔で周囲を巻き込みながらクルクメールとして活躍していく矢先のことだった。 来週,卒業生49名のクラスメート達は,この悲しみを乗り越え,伝統医療研修コース在校生100名をリードしながら,クルクメールによる「カンボジア伝統医療協会」の設立に踏み出す。 |




