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(チェンライ)村と一緒にハーバルビジネス[2011年12月31日(Sat)]

タイ北部の“Doi Num Subプロジェクト”の名前を聞いたのは2年ほど前である。フェアトレードや麻薬からの転作を推進するなど、薬草のコスメティクビジネスによって村の開発を行っているという事を耳にしていた。
Doi Num Subプロジェクトのハーバル商品

タイ訪問4日目、チェンライからカンボジアへ帰国する便はPM3:45。視察をアレンジしてくているチェンライ大学のスタッフは、半日の観光を進めてくれた。この時期は8年前に始まったフラワーフェスティバルが開催されているという。

折角の申し出ではあったが、“Doi Num Subプロジェクト”の事を思い出し、伺ってみたところ、Dr. Yinyongはプロジェクトと面識があるという。紹介してもらう事にした。

社長のMs. Dusadeeさんは、バンコクに本社をかまえていて不在との事。代わりに現地で商品の製造を担当されている妹さんのPawaleeさんと、パートナーで布製品を担当している英語の堪能なDoirさんが、わざわざホテルまで迎えにきてくださった。

できれば契約農家のところまで足を運びたかったのだが、時間が限られているため、今回は、材料の調達から製造までの一連の仕組みを紹介していただく事にした。始めに伺ったのは、昨日も訪れたMaechan市にあるDoi Tung地区。プロジェクトの名前の由来はここから来ている。

村からDoi Tung村に集められた原料となるハーブ

そもそも、チェンライが観光地として注目され始めたのは1990年以降。それ以前は麻薬の原料となるケシの栽培以外これといった産業もなく、中央の有力者が欲しいままに土地を活用していた。そんな時、今は亡きタイの皇太后(現国王の母君)が、長くお住まいになられていたスイスに似た情景であるという理由から、この地に居を構えられ、教育や公園整備などを奨励された。皇太后がなくなられた後は、彼女の財団が設立され、引き続き皇太后が愛した、この土地の天然資源の活用が国王自らの事業として継続。換金作物や薬草への転作が進められてきた。

製品がつくられる工房

“Doi Num Subプロジェクト”が契約している農家は30件。ここよりさらに北側の山岳地帯Huy Bai地区にある。バンコク本社からのオーダーの量に応じて、各農家からDoi Tungに原料が送られてくる。各薬草は、ここで洗浄、乾燥、細かくカットされ、国道に近いMai KhamにあるPawaleeさんの自宅の工房で布製の袋詰めと真空パック加工が施され、バンコクの販売所に送られていく。

この日は特別多い5000個のハーバルボールの注文が入っていた。日本からの注文も多いそうだ。他のメーカーは、あらかじめ全ての材料をミックスしてから袋に包み込んでいくそうであるが、この工場では手間はかかるが、内容が均一であるように、ひとつずつ材料の分量を計りながら袋詰めをしている。

手際よくハーバルボールを作っていく

工場長のPuyさんが慣れた手つきで次々にボールを作っていく。4人の常勤スタッフが平均して1人1日100個ものボールを作るのだとか。注文が大量に入った時には、近所の村人に加勢を依頼する。ご好意で実際にはハーバルボールを使ったマッサージのデモンストレーションをしてもらった。蒸し器で熱したハーバルボールを慣れた手つきで全身にパッティングしていく。

ハーバルボールはタイ伝統医療師だった父母からの伝承で製品を開発した。なかなか認知度が上がらず販売が軌道になるまでは、ずいぶん時間がかかったという。努力の甲斐あって、品質、アイデア、村おこしプロジェク、が国の内外で表彰されるようになった。17年間立った今の課題は、次々に著作権を無視した粗悪なコピー商品が出回るなか、高い品質をアピールしブランドを定着させていく事だという。また、20カ所の薬草栽培場所を整備して観光客向けのリトリートを作っていく事も来年から始めようとしている。


この小さな工房では、ハーバルホールと共に、薬草を作った蒸気浴の商品も作っている。カンボジアで同じ療法はチュポンと呼ばれ、婦人疾患や初期の風邪の治療に広く用いられている。タイとカンボジアの伝統医療の系統は近いので、アンコールワットを訪れる観光客をターゲットにサービスを展開していくというビジネスチャンスはあるだろう。そのためにも、カンボジアの伝統医療がどのような実態であるのかを調査し、観光行政にアピールしていく必要がある。

カンボジア版“Doi Num Subプロジェクト”が周囲の村のコミュニティーと共に活躍する日がくるに違いない。
この記事のURL
https://blog.canpan.info/acupuncture/archive/187
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コメント
こんにちは
Doi Num Subを検索してここに来ました。
Dusadeeさんは、12月25日時点で、チェンマイのフェスティバルにいると聞いています。Dusadeeさんのバンコクに家に行き息子さんから聞きました。息子さんは旦那さんと電話して確認していたと思います。
まだ近くにいるのでしたら、お会いできると思います。3月まで、チェンマイと言っていたと思うのですが…。
Posted by:原田任伯  at 2012年01月19日(Thu) 02:24