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東南アジア「伝統医療ブーム!到来[2011年08月04日(Thu)]
「伝統医療“普及”事業」と聞かされ,失われたカンボジアの伝統医療を復興する仕事なのだと思いながら2年前に赴任した。ところが現地を視察してみると市場には伝統薬の問屋街が並んでいるし,どんな田舎の商店に行っても一杯飲み屋の感覚で飲める自家製の薬用酒が並んでいて,この国の伝統薬の普及しているさまに驚かされた。そして,このカンボジアでの伝統医療普及事業は,すでに国民に愛され普及している伝統薬を,公的に普及させるシステム作りであることを自覚した。

村の小さな商店にも店頭に薬用酒がならんでいる

さらにショックだったのは,過去2回出席したASEAN伝統医療国際会議。加盟する10カ国では,すでに各国政府が積極的に伝統医療を公衆衛生として活用しており,私のいるカンボジア保健省の取り組みはダントツに取り残されていた事だった。

東南アジアにおける「伝統医療ブーム」を感じさせられる。それを促進しているのが,なんとWHO(世界保健機構)である。WHOというと西洋医学の象徴のような印象もあるが,実は1987年にプライマリヘルスケアの大切さを始めて明確にWHOが示した,アルマアタ宣言の中で,すでに伝統医療の活用が条文に盛り込まれている。実際,その後条文にあった伝統医療の活用は具体的に実施される事もなかったのだが,医療費高騰を背景に費用対効果の観点から2007年に香港生まれのマーガレットチャン事務局長就任以来,途上国への伝統医療活用が積極的に推進されている。

日本財団では,それより以前の2003年から先見の目をもって,WHOに対し加盟国の伝統医療政策や法規制に関する実地調査への助成、中央アジア15カ国の薬用植物モノグラフ作成の支援、国際会議の共催などを実施している。

ちなみに私が政策に伝統医療を活用しているブータンに興味をもち,入国したのも,ちょうど同じく2003年1月のことだった。「考えは間違っていなかった・・・」と誰も褒めてくれないので自分で自分を褒めていたりする・・・。

下のグラフ(図1)は2001年に調べられたアジア各国の伝統医療(代替医療)利用率を示している。「中国と韓国スゴイねえ!」という印象しか受けなかった。ところが先日のワークショップでWHOのプレゼンテーションで紹介されたのが次のグラフ(グラフ2)。


(図1)


(図2)


最新の各国伝統医療利用率と思われるが2001年のグラフと比べると東南アジア各国での伝統医療利用率が上昇しているのは一目瞭然である。ちなみにカンボジアのデータはなく,隣のラオスに近い数値(76%〜)であろうという説明があった。納得である。

しかしながら,このワークショップ会場で私は唯一の日本人。グラフに紹介されている国の中で利用率50%を下回っているのは日本だけ。その国から派遣された人間が,遥かに伝統医療が普及されている国に向かって「伝統医療を推進しましょう!」と唱えているなだ。なんとも惨めな思いだった。

「日本政府,厚生労働省,文部科学省の皆さん,および政治家の皆さん,他のアジア各国では,こんなにも積極的に伝統医療を財政政策や文化保護政策に活用しています。私も頑張りますから,日本も頑張ってくださいー!」
この記事のURL
https://blog.canpan.info/acupuncture/archive/153
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コメント
そうそう,安くなければ意味ないんですよね。量産すればもっと安くなるんでしょうかね?ちっとも安くないですよ。東南アジアに漢方の工場を造ってしまいますか?!鍼灸は保険きかないと安くならないでしょうね。。。ナイスアイデア大募集!!
Posted by:高田忠典  at 2011年08月12日(Fri) 02:43

そうですね。。。
例えば日本の漢方高いですもんね。。
よく薬局で漢方薬コーナーを見ているんですが、とても普通の家庭では買えないですね。しかも予防薬的に飲んでしまうのですぐなくなるし。医者に処方されれば保険が効いて安くなるのもあるんでしょうが。一方で、最近はもっぱら東南アジア製生薬を買って帰りますけど、人に勧めても嫌な顔されるんで、自分しか飲まないんですよねー。漢方薬@日本、どうすればいいんすかね。。。
Posted by:なかじま  at 2011年08月09日(Tue) 11:17