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首都デリー、連続爆破テロ インド最前線 The Actual India 第139回 [2008年09月14日(日)]

            ≪速報 Special Spot≫

挑戦的な首都テロリズム
 9月13日、午後6時10分頃、ニューデリーの繁華街の市場で最初の爆破が起こった。
 その後、約45分の間に4か所で5発が連続爆破した。
 直後の7時前から、各テレビ局は現地から中継で、報道し続けている。
 当初、死者は数名と伝えられたが、刻々と増え、9時現在、20名と報じられている。時間の経過とともに増えることが予想される。負傷、重傷者は90名と伝えられているが、これも、同時刻現在の報道だ。
 インド門付近の中央公園とリーガル・シネマという映画館で2発の不発弾が発見され、信管を抜かれた。
 はじめの爆発は、デリーではよく知られた大規模な市場、ガッファ・マーケットで、人道脇に停車していたオートリキシャー(三輪タクシー)の下に仕掛けられていた。
 二番目は、デリー最大の繁華街で観光客も必ず訪れるコンノート・プレイスで起きた。中央に芝生の公園があり、その周囲から放射状に道路が走る、文字通りニューデリーの中心地だ。ここが、ターゲットになっていることが、人びとを震撼させている。
 芝生に寝かされた血に染まる負傷者、なかには死者とおぼしき犠牲者を市民や警官が運びだしていく光景が、なまなましく写しだされた。
 日本でいえば、銀座四丁目の交差点脇のビルが爆破されたようなものだ。全国のインド人に与える心理的圧力は、計りがたいものがある。
 また、幸いにも不発で発見され、大事に至らなかったが、現代インド建国の象徴であるインド門が爆破の対象になっていたことも、このテロが反インド、反国家、インドへの挑戦といった思想性があるように推測できる。

国内テロとアフガン、パキスタン情勢
 コンノート・プレイスから延びるバラカンバ・ロードでは、歩道脇に仕掛けられていた。そして最後に爆破したのは数キロとはない南のグレーター・カイラシュ市場だった。2発の爆発物が自転車に仕掛けられていた。
 ここでは12歳の少年が、目撃したか、手先に使われたのではないかと拘束されている。この 少年についての詳細はわかっていない。テレビ映像には、少年が警官と市民に拘引されている姿が写っていた。
 土曜日、夕刻の市場は買い物客で相当の混雑があり、死者もここが最も多いと伝えられている。
 警備当局は、全国に警戒を促した。特に商業都市ムンバイを擁するマハラシュトラ州、テロ多発地域のパンジャブ、グジャラート、ラジャスタンの各州への警報を発した。
 さらに、警備当局はテロの手法、規模などからイスラム学生同盟(SIMI)の存在を念頭においているようで、7月のバンガロールでのテロ、その拠点があるといわれるケララ、カルナータカなどにも警戒を発令した。
 デリー市長、与党もただちに反応し、与党党首ソニア・ガンディは談話を発表し、市長も、犠牲者を悼むとともに市民に冷静な対応を要請した。政府は緊急閣僚会議を、午後10時に招集した。
 事件後4時間後の現在、詳しい解析はできないし、すべきでもない。が、警備当局が方向付けているかにうかがえるSIMIの犯行だろうか。現在、SIMIの組織規模自体が、正確には把握されていないのが実態だ。インドの警備当局としては、パキスタン流入の勢力とSIMIは恒常的に緊密連携をしている。同組織だ、と見たがる。
 この数日、カシミールでは次期選挙も絡んで、死者のでるデモ、騒擾が続いている。
 それは、アメリカのパキスタン領内攻撃を容認しているパキスタン新大統領と政府の方針の不可解さに一因がある。アフガン国境地帯の緊張がカシミール分離主義者たちを脅かしているのは事実なのである。
 インド政府、国防担当者たちは、アフガン、パキスタンのあらたな情勢がインド国内でのテロや不安定な情勢に波及されることをもっとも恐れていたのだ。対米関係上、けして表面化するわけにはいかないところに、インド当局者側のジレンマがある。
 しかし同時に、インドの国内テロの要因は、この問題ひとつではけしてない。石油高騰や食糧問題などで景気の減退が現実になって、格差が目を覆うばかりに拡大してきている。それが、印パ、アフガン情勢に相乗しているのだ。
 警備当局が、SIMIとパキスタンからの流入者と決め付けると、大きな錯誤を犯すことになるだろう。
Posted by 森尻 純夫 at 02:58 | この記事のURL