東京財団<2006年度短期委託研究事業>
「団塊世代をはじめとする市民力の活用による作業所ビジネスの活性化方策」報告会
に参加しました。長時間にわたる報告会で、非常に有意義な中身でした。
BLOG記事は長いと誰も読まない(?)ので、要点を手短にお伝えします。

日本財団 伊藤@福祉チーム
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▼基調講演(慶応大学商学部 中島隆信教授 ※関連著書に『障害者の経済学』)
【経済学的視点から福祉を考える】
レストラン、鉄道、etc...
全ての仕事において誰かの役に立ってお金を取ることは世の常である。
これは、人を助けてお金を取っている福祉にもいえること。
損得勘定無しの奇特な人が携るのが「福祉」という従来の考え方から脱却しよう。
市場経済のどこに目を向けても、消費者の立場で、サービスは決まっている。
障害者の制度は、利用者すなわち消費者の観点が抜け落ちて、決まることがある。
これまでは、経済成長に後追いする形で社会保障として福祉サービスが公的に整えられてきた。これからは、経済成長に並行していく形で、福祉を形作る時代に来ている。
福祉の現場である作業所と市場経済をもはや切り離していては、次に進めない。
▼研究報告「自己実現と社会貢献を両立する作業所ビジネス」(ハンディのある人を対象とするビジネス研究会 代表 横井泰治氏)
●作業所をビジネスに押し上げるための、3つの提言。
作業所ビジネスについて、、、
@団塊世代、女性市民は
→自己実現・キャリアアップの場として活用せよ!
Aメディア・起業支援者は
→市民に対し魅力を伝えブームを作り出せ!
B行政・助成財団は
→市民と連携する作業所や授産施設に対し、連携コストを支援せよ!
●作業所の現状 〜実は自作自演をやってませんか?〜
一般ビジネスの様相を作業所にあてはめてみると、こうなる。
=「出資者、起業家がいて事業をつくり、作業所にて利用者と職員が事業を行い、顧客や取引先がそれを利用する。」
これがビジネスとして確立する(=就労の場となりうる工賃も高く自立可能な)作業所。
でも、現実は違いますよね。
ひるがえってみるに多くの作業所では、「出資者・顧客・取引先」って、実は親が担ってないですか?
これでは、いつまでも内部完結型から脱せません。
「親」を「市民」に置き換えましょう。(市場経済を意識しましょう。)
作業所ビジネスのノーマライゼーション(親の解放)が必要です。
●当事者に告ぐ。考え方の転換を!
実のところ、当事者(親や職員)たちの心理って、
「こうあって欲しい姿」として
親:日中の居場所の確保
職員:働きやすい職場、安定した収入
「リスク」として
親:子どもたちが通所しなくなること
職員:事業で損失を出すこと
という形ではないでしょうか。これはこれでありかもしれませんが、発展性に乏しい。
(職員がいなくなったら、はたまた親が亡くなった後はどうするのか?など)
なので、「リスク」ばかりを考えるのではなく、儲けることを考えましょう。
「儲けるメリット」として
親:子どもの自立
職員:利用者の喜び
があるということを新たに意識の中に据えましょう。
ここで想定される反論としては、
「儲け儲けって、じゃぁ普通のビジネスやったら?」ってことです。
が、作業所ビジネスの事業特性を様々な事例から調査した結果、次のことが浮上するのです。
●作業所ビジネスのメリット
*低コスト構造
・補助金が得られる
・無償の労働力(ボランティア)が得られやすい
*強固な顧客基盤
・作業所ビジネスにたずさわる当事者が製品に直結する
・当事者の知人、友人
・意識の高い消費者の支援がある
*ニッチなチャネル
・流通チャネル=企業とのタイアップなど
・営業チャネル=関連企業のチャネルにONする。
作業所と市場経済の考え方を融合させれば、以上の点において、全く新たな作業所の形が見えてくるのです。障害者の雇用の場として機能させることができます。
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以上です。(検証事例紹介等は省略しています)
詳しくは
こちらのURLに報告書の実物がUPされております。ご興味のある方はじっくりとどうぞ。
http://www.tkfd.or.jp/publication/reserch/2006-18.pdf
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所感:市場経済との関わりから捉えた作業所という切り口は、斬新かつ刺激的で面白かったです。障害者の自立を支援するにあたり、財団としてどの部分を助成することがよりよい効果を生むかを考えていく上で、新たな知見を得ることができました。深謝。