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松井 二郎
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「共生性」乳酸菌と「抗生性」乳酸菌は大ちがい [2019年02月03日(Sun)]

  ◆NS乳酸菌とは
  4章 NS乳酸菌のすごさ(15)
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

    乳酸菌の「共生性」と「抗生性」




 カルピス・ヤクルト戦争というのがあった。
 ……ごめん。この名称は、いま作った(笑)

 こんな名称はないけれど、この戦いは実際にあった。カルピスとヤクルトといえば、日本における乳酸菌飲料の双璧だ。1919年に日本初の乳酸菌飲料・カルピスが誕生し、そのライバルとなるヤクルトは1935年に生まれている。両者は激しく乳酸菌飲料のシェアを争った。
 戦いを制したのは、遅れてやってきたヤクルトだった。ヤクルトは「生きた乳酸菌」を売りにしたからだ。
 カルピスは乳酸菌飲料といっても、菌は死んでいる。パッケージをみると「乳酸菌飲料(殺菌)」と書いてある。この殺菌は「死菌」という意味だ。死菌では印象が悪いから殺菌にしたのだろう。
 それでも「生きた乳酸菌」の印象の良さには、かなわなかった。いま乳酸菌飲料の売上シェア・ナンバーワンはヤクルトである。

 では、生きた菌と死んだ菌、どっちがいいのか?
 どっちでもいい、という説がある。

(以下は引用)


          ◇

 いま日本で乳酸菌製品をつくっている会社は、生きている菌をわざわざ殺菌処理して製品化するところが多いようです。そして「殺しても効果は同じ」などといっています。こんな例があります。
 日本で指折りの立派な大学の、ノーベル賞をもらってよいほどの高名な教授の話ですが、「菌をたくさん増やした後、殺してから飲んだら効果があった」というのです。その理由はなんですか? と問うと、「乳酸菌が死の直前に抗生物質らしきものを生成するから」といいます。

 乳酸菌は死の前に、いろいろな情報を仲間に伝えているようです。まず同志に「増えないでください」とか「状況が悪い」というように、特別な情報を伝達することが考えられます。
 栄養を安定的に取得できる生菌の場合、そのような情報を出しません。ほかの菌といっしょに培養すれば、共生状態となり、ともに成長・増殖していきます。共生状態の乳酸菌は、防腐剤として肉につけても防腐作用はいっさいありません。
 これとは反対に、「増えないでください」というような情報を出した乳酸菌、つまり培養してからゆっくり加熱で死なせた菌、あるいは栄養が継続的に摂れない菌が肉につけば、防腐作用がかなり出てきます。
 ほかの実験でも、死なせた菌を同じ種の生きている菌の培養液に入れると、それ以上増えなくなります。死んだ菌が死の直前に出していた情報が生菌に伝わって、生育の邪魔をする抗生物質か、または抗菌タンパクを出すのだと考えられます。

 すべての菌は両面性があります。共生性(原生性)と抗生性です。したがって、すべての菌から抗生物質をつくり出せると考えられます。みそや醤油、納豆、チーズなどは発酵が進みすぎても腐りません。このことからも、生きた菌は共生性の力を発揮し、やがて衰えて抗生性になるということがわかります。
 とにかく死んだ菌と生菌とをいっしょにすると、生菌が増えにくくなるのは事実です。したがって「死んだ菌であっても生菌と機能は同じ」というのは、不完全な科学的研究だと私は思います。


金鋒[ジン・フェン]著『「NS乳酸菌」が病気を防ぐ』


          ◇


 つづく〜。








 ◆ 編集後記
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ちなみにカルピスは甘さ控えめの製品をつくれるけど、ヤクルトはつくれません。
「生きたままの菌」にしておくため培養液としてクソ甘い飲料にするしかないんです。





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乳酸菌に「老人」と「若者」がいる [2019年02月08日(Fri)]

  ◆NS乳酸菌とは
  4章 NS乳酸菌のすごさ(16)
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    「若者乳酸菌」と「老人乳酸菌」<前編>





 テレビCMでおなじみの映像だと、顕微鏡で拡大された乳酸菌の大群が、大腸菌の大群へワーッと攻めこんで「これが乳酸菌のパワーです!」と駆逐していく。
 だから乳酸菌というと、とにかく悪い菌を殺すもの、と、いつのまにか先入観をもっていた。乳酸菌に2つの性質があるとは、しらなかった。「抗生性」、つまり他の菌を殺そうとする抗生物質のような性質、そしてもう1つ、「共生性」、つまり他の菌と共存しようとする性質、の2つがあったとは。

 「抗生性」も大切である。だがもっとだいじなのは他の菌と共存・共栄する「共生性」で、死んだ乳酸菌にその「共生性」はないという。

(以下は引用)


          ◇

 たしかに死んだ菌でも、一定の効果は見られます。
 しかし、私が行なった実験では、発酵が進み乳酸菌がどんどん増殖して、たとえばヨーグルトが酸っぱくなったとき、そのなかには生きた乳酸菌もありますが、死んだ乳酸菌も増えています。
 死んだ乳酸菌が増えるにつれて、生きた菌は非常に増えにくくなります。死んだ菌も生きた菌も効果はいっしょという考え方は、われわれの研究の結論とまったく合いませんでした。

 なぜそんな考え方になるのか――。
 乳酸菌の効果というものを、1つの視点からしかとらえていないからだと思います。
 「乳酸菌は腸内菌分布を善玉菌優勢に整える」
 これ1つしか視点がないのです。

 私は乳酸菌の効果効能は、「若者乳酸菌」と「老人乳酸菌」の2つに分けて考える必要があると思っています。
 若い乳酸菌は、ヨーグルトでいえばまだ酸っぱくないヨーグルトです。若い乳酸菌は、元気があって増殖力もあります。そういう菌をお腹のなかに入れれば、腸内の菌分布を善玉菌優勢にしてくれる。だから若い乳酸菌は原生性が強く、「共生性」の働きがあります。
 その機能の違いを理解できなかったのは、乳酸菌なら、死んでいても生きていても効果があると思われていたからです。しかし、生きている乳酸菌と死んでいる乳酸菌とではまったく違います。

 十分な栄養があれば、生きている乳酸菌は急速に増殖します。しかし、培養タンクでは栄養分が限られていますから、乳酸菌は無制限に増えません。賢い菌は、栄養が足りないとき、人間や動物と同じように家族計画をします。そして対数培養の近く(増殖のピーク)になると、乳酸菌が「乳酸」(有機酸)をつくり出しながら、ほかの細菌に情報を送ります。その情報を送るのは、抗生物質の働きです。対数培養のピークの後、菌は自殺しはじめ、有機酸を出して酸味がだんだん強くなります。


金鋒[ジン・フェン]著『「NS乳酸菌」が病気を防ぐ』


          ◇


 酸っぱいヨーグルトって、乳酸菌が死んでたのぉ!? まだ死んでない菌も、お歳をめしていらっしゃる……。
 じゃあ、もっと酸っぱいキムチは、乳酸菌が豊富といっても老人ホーム状態で、さらに、買ったあともどんどん酸っぱくなっていくけど、あれはさらに乳酸菌が歳をとって死んでいってるわけだ。

 引用文は次回に続く。








 ◆ 編集後記
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 テレビで医者が「キムチは消費期限ぎりぎりに食べると乳酸菌がいちばん増えたところで食べられます」と言ってたけど、こんなこと知らないもんねえ。





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ココが違う!「若者乳酸菌」と「老人乳酸菌」 [2019年02月12日(Tue)]

  ◆NS乳酸菌とは
  4章 NS乳酸菌のすごさ(17)
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    「若者乳酸菌」と「老人乳酸菌」<後編>





 乳酸菌は悪玉菌を殺すもの、というのは思い込みだという話であった。それは乳酸菌の一面しか見ていないのだと。

 それと乳酸菌は酸っぱいもの、という先入観もわたしは持っていた。キムチもヨーグルトもたいてい酸っぱいからね。
 しかしそうした酸っぱい食品のなかにいる乳酸菌は、発酵がかなり進んだ、いわば老人になった菌だという。
 この老人乳酸菌が持っているのが「抗生性」で、抗生物質のような役割をして雑菌の繁殖をおさえるとのこと。なるほど〜。だからキムチをはじめとした漬物は、腐らないわけね!
 この、酸っぱい「老人の」乳酸菌が、さらに老人をとおりこして死んでしまうと、死ぬ直前、実際に抗生物質のようなものを出すという。

 いっぽう、発酵があまり進んでいない若い乳酸菌は「共生性」で、これは酸っぱくないそうだ。
 発酵食品って酸っぱければ酸っぱいほどいいと思ってた……。酸っぱくないキムチなんてキムチじゃねぇ、と。これはつまり、「乳酸菌は死んでいるほうがいい」とわたしは思っていたわけだ。
 しかし金博士によると――

(以下は引用)


          ◇

 生きている乳酸菌と死んでいる乳酸菌とではまったく違います。
 十分な栄養があれば、生きている乳酸菌は急速に増殖します。しかし、培養タンクでは栄養分が限られていますから、乳酸菌は無制限に増えません。賢い菌は、栄養が足りないとき、人間や動物と同じように家族計画をします。(中略)培養のピークの後、菌は自殺しはじめ、有機酸を出して酸味がだんだん強くなります。

 そうした乳酸菌は、食べたら酸っぱい味がします。むろん、これらの発酵が進んだ年寄りの乳酸菌も、腸内菌としてさまざまな役割を果たしてくれます。酸性度が強くなっているので、悪玉菌をやっつけるパワーは強い。それは天然の抗生物質のような働きをします。こうした働きを、私は「抗生性」と呼んでいます。
 すべての人間の身体には、原生性菌と抗生性菌があることを、ご理解いただけたでしょうか。

 腸内に乳酸菌だけしかなければ、ビタミンやほかの物質を消化吸収できなくなります。さまざまな細菌どうしが、お互いに協力しながらよい働きをするのは、細菌たちの政策なのです。人間の身体は細菌たちの政策に強く影響されているわけです。
 一口に乳酸菌の働きといっても、若い「若者乳酸菌」は宿主と強い絆で結ばれ「共生性」を発揮、腸内細胞と協力して、腸の消化吸収機能を助けたり、ビタミンを合成したりするのです。
 一方、年寄りの「老人乳酸菌」は自らつくり出した強酸性有機酸によって殺菌効果を発揮、悪玉菌をやっつけてくれます。

 だから私は、乳酸菌を「若者乳酸菌」の「共生性」と「老人乳酸菌」の「抗生性」の2つの視点から見ています。この観点に立って、私は2種類の乳酸菌をつくろうと思っています。(中略)乳酸菌を摂り入れるとは、基本的には「生きた菌をお腹のなかに入れること」です。


金鋒[ジン・フェン]著『「NS乳酸菌」が病気を防ぐ』


          ◇


 ――で、話の流れからお察しのとおり、この「共生性」をもった、若い、生きた菌が、NS乳酸菌なのである!

(つづく)








 ◆ 編集後記
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 スーパーで売られているキムチはわざわざ酸味料を入れてある。これって酸っぱくないキムチは売れないってことだよね。
 思い込みの怖さよ。





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NS乳酸菌はつくられる工場がすごい [2019年02月18日(Mon)]

  ◆NS乳酸菌とは
  4章 NS乳酸菌のすごさ(18)
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    NS乳酸菌はつくられる工場がすごい





 「私たちが最優先に考えるのは、まず安全性です」と金博士は言う。うん、たしかに、どんなスゴイ菌だといっても、たまに人体に悪さをするというんじゃ、とくにわたしのような病人は、気が気じゃない。たとえ善玉菌といわれているものであっても、菌は菌だから、どんなふるまいをするかわからないからね。
 しかし善玉菌のなかでも乳酸菌がすばらしいのは、人体のいたるところ、口から食道、胃、腸、肛門にいたるまで、消化管すべてに生息していること。だから、誰でも、どんな病気のひとでも、乳酸菌なら安心して飲めるのだ。

 それと菌を選ぶさいに大事なことが、もう1つあるという。――

(以下は引用)


          ◇

 安全性の問題でもう1つ大事なことは、どのような環境で、どのような培地で、乳酸菌を培養しているかということです。

 NS乳酸菌の故郷はモンゴル高原ですが、数千年、数万年のあいだ、遊牧民族の健康と生活品質を守ってくれた乳酸菌は、その栄養の単一、単純な暮らしのなかに、共生生命体をつくり上げてきました。
 その貴重な財産を、私たちは微生物の研究室から分離して、安全性と効能を確定しながら、秋田県酒類卸本店に属している横手市の雄物川酒蔵の工場で培養しています。秋田県酒類卸本店は、秋田県の酒造会社が共同出資している会社です。発酵学、醸造学はもちろんのこと、乳酸菌の精髄まで理解している会社です。

 私の知人や乳酸菌事業者たちがこの工場に来ると、とても驚きます。工場は古く、蜘蛛の巣がいたるところにあり、「乳酸菌の培養は大丈夫ですか?」とたびたび質問されます。
 でも、私はこの工場が大好きです。秋田はもともとお酒どころですが、この工場にはむかしからのアジア文化を受け継ぐ生産道具も残っていました。私は数年前、この工場を初めて視察したとき感動して、数秒間絶句しました。古代文化のような感じが湧き出していて、「ここはNS乳酸菌の誕生地ではないか」と思ったほどです。
 古い板と粗いコンクリートだけ、海のなかの珊瑚のような構造で、環境バクテリアがたくさん棲んでいて、われわれの身体とわれわれの製品を守ってくれるだろうと思いました。

 それまでは、さまざまなステンレスおよび抗菌材料でつくられた工場をよく視察しました。その抗菌状態の工場で、生きているNS乳酸菌を生産できるのかと思いますと、鳥肌が立ちました。北京の私の研究室にも無菌室はありますが、無菌という言葉は英語で、ジャームフリー(Germfree)といいます。ジャームフリーとは、生命のないところという意味です。こんなところで生命体をつくるのはとても考えにくい。さまざまな実験のために小さな実験室ではジャームフリーは必要ですが、工場全体がジャームフリーの材料でつくられているところは、われわれも入りたくありません。

 横手市の沢射にある工場は、おそらく数年間はお酒を生産していなかったところです。しかし私には、粗い床と壁、天井の感じが理想的な状況だと思いました。殺菌してきれいにするよりも、よいバクテリアが壁や天井や床などに付着している状況は、安全な共生乳酸菌工場になるだろうと確信しました。
 「もしお使いになるんでしたら、これを全部きれいにしますから……」と、工場長の小柳さんは申し訳なさそうにいいます。
 「いいえ、これがすばらしいです。生きている共生バクテリアをつくるためには、この環境が必要なのです」と私は答えました。

 そして、秋田県酒類卸本店の協力で、横手市雄物川町の沼館にNSバイオジャパン乳酸菌培養工場がつくられました。私はここに中国科学院の行為生物学研究室の分室を設け、研究員と技術者を数名常駐させ、さまざまな実験や製造試験を行なっているのです。


金鋒[ジン・フェン]著『「NS乳酸菌」が病気を防ぐ』


          ◇


 ――いい醤油も、つくられている蔵はやはり汚い。テレビで老舗の醤油店が紹介されているのをみたが、うす暗い蔵のなかはあちこちカビのようなものが生えていた。シロウト目には、おいおい、こんな汚いところでだいじょうぶかよ、と心配になるが、「この天井やら壁やら床やらに、いい菌がすみついているんです。この蔵がなくなったら、終わりです」と店主は言っていた。
 NS乳酸菌の工場も、これなら、安心だ。

(つづく)








 ◆ 編集後記
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 前田慶次「きたねえ工場だ。だがそれがいい!」

  ※「だがそれがいい」とは(ピクシブ百科事典)





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乳酸菌はイヌよりもオオカミがいい [2019年02月22日(Fri)]

  ◆NS乳酸菌とは
  4章 NS乳酸菌のすごさ(19)
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    NS乳酸菌は「野生」だからすごい





 「NS乳酸菌の想像以上のパワーはどこから生まれるのか。そのパワーの裏づけになるのが、これから説明するNS乳酸菌のつくり方なのです」と、金博士はつぎのように語る。

(以下は引用)


          ◇

 NS乳酸菌の製法が、ほかの乳酸菌とは決定的に違う点が少なくとも2つあります。
 私は乳酸菌の研究をするようになって、2つの根本的な疑問がありました。研究者たちが心血を注いで研究して、臨床研究ですばらしいデータを出して、それを製品化する。だができあがったものは、試験のときと比べて、格段にレベルダウンしたものになっている。これはなぜなのか――。
 あるいは、研究者が種菌株を採ってきて実験したら、すばらしい効能を発揮した。その株を大切に保管して使っていると、だんだんパワーが落ちてくる。これはなぜなのか――ということです。まず2番目の疑問から解決してゆきます。

 私には次のような体験があります。2年前に使って「とてもよかった」と高評価を得たNS乳酸菌を養豚で使ってもらっていました。そうしたら養豚業者の人からこういわれたのです。
 「いやあ、前のものよりずいぶん悪くなりましたね」
 研究者として、私は一番聞きたくない言葉です。ショックでした。
 クレームのあった乳酸菌を実験室にもってきて、もう一度分析してみたところ、以前に比べて大幅に消化力が落ちてしまっていました。遺伝子を分析しても、前の菌とまったく同じ菌です。私は冷や汗が出ました。
 「こんなはずでは……」
 どうやら私は、乳酸菌から厳しく教育されたようです。
 自然から採取したばかりの菌は強いパワーを示します。しかし、そんな野性の菌も自然から離れ、ガラスやステンレスの容器に移住し、特別の培養をされると、もともともっていたオオカミのようなパワーが家畜化した犬になった――私はそう推論しました。パワーが落ちた原因は、野生動物が人間に飼育されるようになると、野性味を失うのとまったく同じと考えられるのです。
 「やはり、つねに自然にあるものをもってきてやったほうがよい」
 このことがあって以来、NS乳酸菌はつねに新しい野生に在る種菌を採取してきて、使っています。これが、NS乳酸菌のパワーの秘密の1つです。(中略)

 NS乳酸菌は、つねにパワフルだということです。いまやすっかり人間のペットになった犬も、ルーツをたどればオオカミにたどり着きます。野生の強いオオカミも人間に飼われペット犬になると、食習慣や生活習慣が変わり、本能的なところが失われてしまう。人間と動物の関係ではよく見られることですが、微生物や細菌の世界から見ると大いに疑問です。
 モンゴル高原は、世界でも最も空気と自然環境のきれいなところです。高原では穀物をつくらないので農薬もまかれません。素晴らしいバクテリアがたくさん棲息しているところです。少なくなったとはいえ、人びとがいまだにモンゴル高原で遊牧の民として生きています。遊牧民の食生活は、内陸から買った穀類のほかに自産した家畜の肉と乳製品が中心です。もともと乳酸菌は動物の乳房につくものですから、種菌を採取する環境として、これほどの適地はほかには考えられません。試験管のなかの乳酸菌と野生の乳酸菌では、同種でもそのパワーはまるで違うのです。


金鋒[ジン・フェン]著『「NS乳酸菌」が病気を防ぐ』


          ◇


 犬はむかし人間がオオカミを家畜にしているうちに進化(退化?)して犬になった、という説がある。それになぞらえての説明だ。
 モンゴルから採取してきたばかりのNS乳酸菌は、これまでに挙げてきたような(認知症や癌を予防・改善するなどの)すごいパワーがあるのに、よし、いっちょこいつを、工場で増やしてやるか! とタンクで培養しだすと、じょじょにパワーが落ちていき、やがて元のNS乳酸菌とは似ても似つかぬ、いや、顔つきは寸分たがわず同じにもかかわらず、もとの性質を持っていない、ただの乳酸菌に成り下がってしまったのだ。
 増やした菌をさらに増やすとパワーが失われる、と原因が判明してからは、モンゴルから採ってきたばかりのNS乳酸菌しか使わないようにして、ことなきをえたという。
 これって……ほかの(ヤ●ルトなどの)乳酸菌はこういう作り方してないってことだよね!? 乳酸菌を培養して増やして、増えた菌を親にして、その子を親にして、さらにその子を親にして……元の乳酸菌のパワーはなくなってるってことだよね!?

 ……

 もしかして今まで買った乳酸菌ってお金をドブに捨ててたんじゃ……。

 もちろん、まがりなりにも乳酸菌である以上、まったくムダだったということはない。どんな菌でも、少なくとも腸のなかで白血球のエサになって免疫力を高める効果はある。でも、たんにその効果を得るためだったら、ふつうに漬物とか納豆とか味噌とかの発酵食品を食べていればいいのであって、わざわざ「乳酸菌をとるため」にお金を使う必要はなかったのでは……。

 NS乳酸菌なら、この心配はないわけだ。
 もとの種(たね)菌の子供の子供の子供を種菌にしたりせず、つねに野生のNS乳酸菌を親として商品にしている。これってコスト的にはそうとうがんばっているんじゃないか。どうりで高価なわけね。むしろ世間一般の乳酸菌商品がぼったくりで、NS乳酸菌は良心的な値段なのかも。

 ところで、この文脈からはどうでもいいことだけど、犬の祖先はじつはオオカミでないことが最近わかったそうだ。

(「オオカミは犬の祖先ではないと判明! ゲノム解析で新事実続々」- IRORIO)
http://irorio.jp/jpn_manatee/20140126/106264/

 遺伝子を調べてみたら、オオカミが進化(退化)して犬になったという従来の説はまちがいで、オオカミも犬も同じ祖先から分かれて進化し、現在のオオカミ、現在の犬になったんだって。
 どっちにしろ、ペットになった野性味のない犬みたいな乳酸菌では期待した効果は得られないということだ。

(つづく)








 ◆ 編集後記
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 メールでご質問をいただいてます。基本、1通1通ご返信はできないので、この場をかりてお返事にかえさせていただきます。


> こんばんは、松井さん
> いつもメルマガを楽しみにしています。
> ありがとうございます!
> 共生菌は名のとおり他の種類の菌が生息している
> ほうが生きやすいと理解しました。
>
> 話は変わりますが、
> 玄米ご飯を炊くのにおすすめの炊飯器があれば
> 教えてください。
> よろしくお願いします。
(Kさま)


 Kさん、いつもメールありがとうございます。ご返信できてなくて失礼しています。
 わたしのオススメはこちらです。
https://2shock.net/pr/01/

 わたしのオススメというより玄米が好きなひとはだいたいこれを奨めてますね。ちょっとお高いんですけど。性能はブッちぎりです。ご検討なさってみてください。
 それでは!





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