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電波塔からどれだけ離れれば安全なのか? その2 [2016年08月08日(Mon)]

  ◆続・クローン病中ひざくりげ(152)
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ほんとうに電波塔から300メートル離れればいいのか?
 フランスのこの指標は、いちおうの値を示さないといけないから、まあこんなところかな、ほんとはもっと離れないとやばいんだけど、そんなこと言いだしたらキリないし、ねえ、まあ、こんなところですよねえ、と、いちおう決定した仮の値なのでは?
 勘ぐる理由はいくつもある。
 まえに引用したところだが――。
 「オーストリアでの事件です。96年、夏ごろから、ある地域住民たちから、苦情がつぎつぎに噴き出した。はじめは数件だったのが、しだいに増えつづけ、狭い地域なのに12人もの住民が『変な耳鳴り』を訴えるようになった。
 すぐに“犯人”のめぼしはつきました。付近にデジタルのケータイ中継タワーが建設されてから、住民に異変が生じたのです。『耳鳴り』を訴えるひとたちの家は、その鉄塔からわずか30メートルから700メートルの位置に建っていたのです」

 もう1つ。「2キロメートル以内では『急性リンパ性白血病』3・57倍、『全白血病』1・83倍も発病していた」
 300メートルどころか、700メートル、2キロメートル離れてもやばいじゃん!
 でも、そうなると……逃げ場はないぞ。わたしが住んでいるのは、ドがつくほどの田舎だが、それでも、どこへ行ってもケータイが使えなかったことはない。
 電波は1つの基地局から数100メートル届く(地形によっては数キロ)。ならば、電波がとぎれないようにするには、数100メートル以内に電波塔をポンポンと建てていくしかない。ドコモ・au・ソフトバンクは競い合っているから、それぞれが絶対に電波がとぎれないよう血まなこで建てまくっている。3社が「それぞれ」数100メートルおきに建てているのだ。
 日本列島、逃げ場なし。
 完全に安全な場所はあきらめて、「まあ安全」な場所を調べるとするか……。
 いくつかの国の調査結果がある。

      ◇

 <基地局周辺の疫学調査の結果>

2003年 フランス(サンティーニ)
 基地局から300m以内で、吐き気、食欲不振、視覚障害、いらいら、うつ、性欲減退、記憶障害、不快感、疲労感を訴える人が有意に多い。また、女性は男性よりも症状を多く訴え、吐き気は5・9倍、食欲不振は3・6倍、頭痛は3・1倍、うつは2・7倍。

2004年 イスラエル(ウルフ)
 ネタンヤ市の基地局から350m以内に3〜7年住む622人を調査。発ガン率は全市平均の3・5倍で、女性の発ガン率は10・5倍。

2006年 エジプト(アブデル−ラッソウル他)
 基地局のあるビルとその向いのビルで働く85人と、約2km離れた被曝していない80人を比較。被曝した人たちはめまいが4・4倍、うつが2・8倍、睡眠障害が2・7倍、頭痛が2・7倍多かった。

2011年 エジプト(エスカンダー他)
 携帯電話使用者82人と、基地局から1500m以内に住む34人を6年間調査。被曝した人たちは副腎皮質刺激ホルモンなどが有意に減少。500m以内に住む女性(14〜22歳)は生殖に関わるプロラクチンが減少し、被曝期間が増えると減少率が高くなった。


植田武智、加藤やすこ『本当に怖い電磁波の話』

      ◇

 やはり2キロが理想のようだ。そして絶対に避けなければならないのもやはり300メートル以内。なるべくなら500メートルといったところか。
 あい、わかった。以上を踏まえ、「できるだけ離れる」しかあるまい……。

 (つづく)




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 ◆ 編集後記
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 人が住んでいない山奥なら電波塔はないが、生活手段もない。





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もし電磁波の安全地帯がなかったら? [2016年08月18日(Thu)]

  ◆続・クローン病中ひざくりげ(153)
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 「ここ、あの電波塔だけじゃなかったよ。3本だよ! 3本に囲まれてる」
 家内が、帰宅するなりまくし立てた。
 「まじで?」
 「うん、さいきん車で走ってると電波塔ばっかり目についてさ、2本みつけた」
 後日、わたしは助手席のシートを倒し、いつものように病人らしく横になった。
 ちょっと走って、
 「ほら、あれ」
 家内が田んぼのかなたを指さした。
 ほんとだ。アパートの目の前ほどではないが、おそらく1キロ以内といったところか。
 「それと、あれ」
 あれも1キロか……。
 なんてこったい。
 こりゃ、先が思いやられる。いまのアパートはもう逃げ出すからいいとして、このぶんだと、こんなド田舎も電波塔のネットワークが網の目のように張りめぐらされているのだろう。
 引っ越し先、見つかるんかい。
 引っ越し先として候補地となりえるのは、周囲を見渡していちばん近くに目に入る電波塔をグーグルマップでしらべ、最低でも300メートル、なるべくなら500メートルの距離が確保できているところ。あわよくば、それよりも離れているところ(理想は2キロ)。
 んな場所、あるんかい。
 ところで、ここはド田舎だからケータイ基地局といえばこうした鉄塔なのだが、都会はちがう。ちょっとでも高い建物があって、その屋上に先のトガった棒がニョキッと空を向いていたら、それが基地局だ。田舎では高い建物がないので専用の鉄塔を建てざるをえないが、ビルやらマンションやらが乱立している都会は設置場所にこと欠かない。そこでコストを抑えるため、はじめから鉄塔くらいの高さがある建造物を利用するのだ。この記事を読まれて「そんならわたしも見つけてやろうか」とおもった方は、注意して街を歩いてみてほしい。
 で。どうするよ。
 近くのすべての電波塔から300メートル、いや500メートル離れている、そんな場所が見つからなかったら? それよりもまずいのは、そんな場所を見つけて引っ越したのに、なにひとつ健康が回復しなかったら……?
 「最悪、電磁波シールドか」
 たしか、そんなものがあるってどこかに書いてあったよな。あ、これだ。

      ◇

 基地局から約170メートル離れたところにあるNさん宅では、2005年12月24日から、当時、12歳の男の子が、夜、眠れなくなった。眠ろうとするが眠れず、泣いて「出かけたい」と、車に乗り込むようになった。(中略)
 その後、息子の症状が、「基地局から放射される電磁波に被曝したためだ」とわかったNさんは、電磁波を防御するシールドクロスを買い、窓や壁に張り巡らせた。すると、息子ははじめて笑顔を見せ、落ちついて本を読みはじめた。


古庄弘枝『見えない汚染「電磁波」から身を守る』

      ◇

 こういう最終手段も、いちおうはあるということか。
 この“シールドクロス”って、何だ?
 転ばぬ先の杖である。調べておこう。

 (つづく)




 ◆ 編集後記
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ケータイが出回りだしたころにくらべ、格段につながりやすくなった、というより、つながらないことがなくなった。みんなよろこんだ。
 だがかえって人間はつながらなくなった。この状態があたりまえになると、よろこんでいる人もいなくなった。
 電磁波の害だけが残った。





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最終手段「シールドクロス」とは [2016年08月27日(Sat)]

  ◆続・クローン病中ひざくりげ(154)
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 もし、こんなド田舎でも電磁波の安全地帯がなかったら?
 もし、安全地帯のつもりで引っ越しても、おかしな症状が続いたら?
 いや、わたしだけじゃない。きっとこの記事を読んでいちばん困っておられるのは、持ち家がある読者さんじゃないか。
 わたしのような、過去に9回も引っ越しをしている流浪の民は、気軽に「逃げる」という策をこうじられるが、「家、買っちゃいましたけど。ローン、あと30年ありますけど。」という方は、まさか、ローンを残したまま家を手放すわけにもいくまい。
 うむ。やはり“シールドクロス”なるもの、調べておく必要があるな。
 前回引用した事例では、これがどういうものかはわからなかった。詳しく書いてあるところは……あった!

      ◇

 屋外に携帯電話基地局などがあって、家の中に無線周波数電磁波が侵入している場合、電磁波を遮蔽(しやへい)するシールドクロスを使うのが一般的です。シールドクロスは、金属をコーティングした布で、一見するとレースのカーテンのように見えます。周波数の高い電磁波は、金属によって反射されやすいので、遮蔽には金属素材が使われます。
 できれば、シールドクロスを設置する前に簡易式の電磁波測定器で測りながら、最も影響を受けている場所を調べたり、シールドクロスの効果を確認しながら設置するのがいいでしょう。簡易測定器には、テレビやラジオ、無線LAN、携帯電話などの無線周波数電磁波を測定するものや、低周波磁場を測るものがあります。携帯電話の電波だけを測るのは難しいのですが、どのくらいの電磁波に被曝しているのかを知る目安として利用できます。
 シールドクロスや測定器は、ドイツやスイスなど海外で生産されているものが多いのですが、国内にも輸入されていて、インターネットや電話通販などで購入できます。シールドクロスの性能(対応周波数帯、遮蔽率)などを、よく確認してから購入してください。
 無線周波数電磁波が侵入する窓や壁にかけるだけでなく、シールドクロスで蚊帳をつくって、アースをとり、その中で寝ている人もいます。この蚊帳の中で測定すると電場はゼロになりました(測定器EMR−20使用)。シールドクロスはわずかに帯電するので、電磁波過敏症の人はアースをとることをお勧めします。
 なお、シールドクロスだけでなく、金属製の雨戸やステンレス網戸、金属製の外壁材、アルミ蒸着した透湿防水シートなどを利用することでも遮蔽できます。


植田武智、加藤やすこ『本当に怖い電磁波の話』

      ◇

 この引用、次回につづく。




 ◆ 編集後記
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 「シールドクロス」……なんかRPG(ロールプレイングゲーム)の防具っぽくてカッコいっす。(耐性:電磁波)





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