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松井 二郎
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「痔瘻(じろう)」と「がん」、どうつながる [2015年11月08日(Sun)]

  ◆続・クローン病中ひざくりげ(127)
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 「これ(痔ろう)もねえ、そのままにしておくと、がんになるんですよ」
 わたしは固まった。
 いや、たんにリアクションに困ったのだ。
 「あはは、それはありません」
 ……とは言えない。さて、どんな表情をつくったものか。

 痔瘻(じろう)と、がん。どう考えてもつながらない。
 このころわたしは、いくらかがんの勉強をしていた。松本仁幸先生がホームページに書いておられるし、その松本先生が「近藤誠の本を読みなさい」とおっしゃるので数冊を読んだ。おかげで、がん、といわれる状態(あえて病気とは書かない)について、かなり理解できたつもりである。
 がんは、老人なら自然な老化現象、若者なら遺伝子異常である。いまわたしががんになるとしたら遺伝子異常だが、痔瘻によってこれがおきることは、どう考えても、ない。
 「おととい学会で仕入れてきたばかりの知識ですけどね」
 え……そうなんですか。
 ならばデータとしてはそういうものがあるということ。なぜだ? なぜそんなデータがある?
 あ、わかった。
 薬だ。

 論文につかわれるデータは臨床、つまり病気のひとを病院で追跡調査したもの。ならばほぼ全員、薬を処方されていると考えられる。薬の9割は免疫を抑える薬だ。
 この副作用が、がんである。
 健康なひとでさえ毎日5000個のがん細胞ができているのだ。白血球がこれを食べているからこそ、がんにならない。その白血球にお休みいただいては、単純計算で毎日5000個ずつがん細胞が増えていくことになる。
 さらに、免疫細胞を黙らせるために薬はなにをしているかというと、遺伝子を書き換えている。「こういうタンパク質をつくりなさい」と書いてある部分を「つくらなくていいよ」と変えてしまうのだ。やがて、遺伝子が変えられたことに気づいた細胞は、自己修復するか、修復不能のばあい自殺する(アポトーシスという)。では修復は100%うまくいくかというと、一定の確率でミスがおきる。このミスによってつくられる細胞が、がん細胞である。
 ということは。西洋医療の患者を追跡調査すれば、十中八九、がんが増えるというデータが得られる、と予想できる。

 わたしの表情が固まっていたからであろうか、さきに医師のほうが顔を崩して、「どうでしょう、年明けには、レミケードしますか」笑っておっしゃった。「ほんとうによくなりますよ。レミケードがいやなら、ヒュミラというものがあります。いろいろあるんですよ、薬は」
 またリアクションに困った。
 「だからがんになるんですってば」
 ……とは言えない。
 がん、という言葉をだしたのは、脅してでもラクにしてやりたい、との親心だろう。そう思えば、ありがたい。
 しかし、そろそろ完治させないとヤバいな。お薬のススメも激化しよう。ああ、エレンタールを飲んでいた2年が惜しい。

 ところで“ヒュミラ”とは、どんな薬だろうか?
 松本先生の文章のなかで名前だけは見たことがあった。この箇所だ。

          ◇

 クローン病と診断されると、「原因が全く分からない、従って治らない」というとんでもない間違った説明を医師にされて、下痢などの症状をとるために、免疫を落とすペンタサやアサコールやレミケードやヒュミラを使われだします。するとますます免疫力が落ち……

(松本医院ホームページより引用)

          ◇

 うーん、調べるまでもないような。でも、これからも医師にすすめられることは容易に想像できるのだし、いちおう知識を入れておかねば。
 帰宅後、さっそくネットで検索してみた。ヒュミラ、と。
 製造元であるエーザイのホームページが出た。
 おいおい! 「医者用」と「患者用」と、分けてページをつくってあるぞ。
 これは一体どういうことだ?

 (つづく)




 ※松本医院での診療を希望される方は
  松本医院ホームページ http://www.matsumotoclinic.com
  熟読のうえにも熟読されてからになさいますよう、
  お願いいたします。




 ◆ 編集後記
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ちなみに近藤誠医師の本を読んだなかで特にオススメだとおもったのがこちら。

 『がん治療総決算』
  http://amazon.co.jp/o/ASIN/4167620073/jironosyosai-22/

 がんが怖いのは、「なんだかよくわからないから」です。たいてい恐怖という感情は対象が不明確なときにおきます。正体がわかれば、まあそれでも怖いんですが、がんそのものに対する怖さはなくなる。
 それと、がんについてではないけどもう1冊。

 『成人病の真実』
  http://amazon.co.jp/o/ASIN/4167620065/jironosyosai-22/

 これを知っているだけで、病院にお金を払って健康を害することがなくなるでしょう。そろそろやってくるインフルエンザ予防接種とか。





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かる〜く勧められたヒュミラの重〜い副作用 [2015年11月18日(Wed)]

  ◆続・クローン病中ひざくりげ(128)
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 新しい薬をすすめられたので、さっそく検索してみた。ヒュミラ、と。
 製造元であるエーザイのホームページが出た。
 おいおい! ごていねいに「医者むけ」と「患者むけ」と、分けてページをつくってあるぞ。

 (ご覧になりたい方はどうぞ)
 http://www.e-humira.jp/

 まず「医者むけ」の記述を見ると――。

(いろんな病名が出てきますが、一字一句読まれず、ザッと眺めるだけにしてください。理由は……見ればわかります 笑)

          ◇

  ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤
  生物由来製品
  劇薬
  処方箋医薬品

  【ヒュミラ】

  <皮下注射用アダリムマブ(遺伝子組換え)製剤>


■警告
 1.本剤投与により、結核、肺炎、敗血症を含む重篤な感染症及び脱髄疾患の新たな発生もしくは悪化等が報告されており、本剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍の発現も報告されている。
(中略)

 本剤の投与において、重篤な副作用により、致命的な経過をたどることがあるので、緊急時の対応が十分可能な医療施設及び医師の管理指導のもとで使用し、本剤投与後に副作用が発現した場合には、主治医に連絡するよう患者に注意を与えること。


 2.感染症

 (1)重篤な感染症
 敗血症、肺炎、真菌感染症を含む日和見感染症等の致命的な感染症が報告されているため、十分な観察を行うなど感染症の発症に注意すること。

 (2)結核
 播種性結核(粟粒結核)及び肺外結核(胸膜、リンパ節等)を含む結核が発症し、死亡例も認められている。
(中略)

 3.脱髄疾患(多発性硬化症等)の臨床症状・画像診断上の新たな発生もしくは悪化が、本剤を含む抗TNF製剤でみられたとの報告がある。
(中略)


■使用上の注意
(中略)

 4.副作用

 (1)重大な副作用
(中略)

  7)間質性肺炎(0.7%)
(中略)


 (2)その他の副作用
 次のような症状があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。

精神神経系

 頭痛、不眠症、回転性めまい、浮動性めまい、感覚減退、脳出血、脳梗塞、味覚異常、ラクナ梗塞、神経痛、健忘、筋萎縮性側索硬化症、脳虚血、頚髄症、頭蓋内動脈瘤、頭蓋内圧上昇、片頭痛、腓骨神経麻庫、神経根障害、傾眠、くも膜下出血、振戦、三叉神経痛、迷走神経障害、不安障害、譫妄、摂食障害、神経症、良性神経鞘腫、意識消失、脳炎、錯覚、末梢性ニューロパチー、気分変化、体位性めまい、うつ病、感情障害、構音障害、気分障害、神経過敏、激越、落ち着きのなさ、神経感覚障害(錯感覚を含む)、睡眠障害

血液・リンパ

 自己抗体陽性(抗DNA抗体陽性、抗核抗体陽性)、貧血、リンパ球数減少、好酸球数増加、白血球百分率数異常(白血球数増加を含む)、リンパ球形態異常、血小板数増加、リンパ節症、リンパ節炎、脾臓出血、脾臓梗塞、リンパ管炎、リウマトイド因子(RF)増加、血中β-D-グルカン増加、リンパ球百分率異常(百分率増加を含む)、単球数異常(百分率増加及び減少を含む)、大小不同赤血球陽性、赤血球連銭形成、赤血球数増加、好中球数増加、血中免疫グロブリンE増加、リンパ球数増加、トロンビン・アンチトロンビンIII複合体増加、血中アミラーゼ増加、血中トリプシン増加、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、APTT延長

代謝・栄養

 血中トリグリセリド上昇、血中尿酸増加、血中コレステロール上昇、乳酸脱水素酵素(LDH)上昇、体重増加、高血糖、CK(CPK)上昇、CRP上昇、体重減少、高脂血症、糖尿病、血中リン減少、食欲不振、血中アルブミン減少、総蛋白増加、血中カリウム減少、血中カルシウム減少、血中カルシウム増加、血中クロール減少、血中コレステロール減少、血中ナトリウム減少、血中トリグリセリド減少、CK(CPK)減少、総蛋白減少、脱水、高カリウム血症、痛風、食欲亢進、肥満、低血糖、血中マグネシウム増加、血中リン増加、グリコヘモグロビン増加

感覚器

 結膜炎、眼の異常感、麦粒腫、難聴、中耳炎、耳鳴、眼瞼浮腫、外耳炎、白内障、耳不快感、耳出血、結膜出血、眼脂、乾性角結膜炎,乱視、眼瞼炎、霰粒腫、複視、角膜炎、角膜症、高眼圧症、光視症、網膜変性、網膜静脈閉塞、高血圧性網膜症、強膜出血、強膜炎、真珠腫、緑内障、耳痛、角膜損傷、耳垢栓塞、角膜びらん、眼出血、硝子体浮遊物、耳感染、聴覚刺激検査異常、流涙増加、霧視、一過性視力低下、眼の刺激又は炎症、視覚障害、眼球感覚障害、全眼球炎、虹彩炎、耳介腫脹、耳そう痒症

循環器

 高血圧、動悸、期外収縮、低血圧、心房細動、狭心症、心弁膜疾患、不整脈、心房頻脈、心不全、心タンポナーデ、心血管障害、冠動脈疾患、心室拡張、左房拡張、フィブリンDタイマー増加、頻脈、血栓性静脈炎、動脈硬化症、出血、ほてり、不安定血圧、末梢動脈瘤、静脈炎、壊死性血管炎、血管拡張、急性心筋梗塞、心電図異常、レイノー現象、心停止、冠動脈不全、心嚢液貯留、血腫、血管閉塞、大動脈狭窄、大動脈瘤

呼吸器

 上気道感染(鼻咽頭炎等)、咳喉、インフルエンザ、鼻炎、鼻漏、鼻閉、慢性気管支炎、喘息、気管支肺炎、喉頭気管気管支炎、インフルエンザ性肺炎、鼻出血、特発性器質化肺炎、発声障害、呼吸困難、中葉症候群、咽頭紅斑、くしゃみ、気管支狭窄、過換気、胸水、胸膜線維症、胸膜炎、気胸、喘鳴、声帯ポリープ、百日咳、喀血、下気道の炎症、肺塞栓症、扁桃肥大、肺水腫、咽頭浮腫

消化器

 下痢、腹痛、歯周病、便秘、悪心、口内炎、腸炎、齲歯、嘔吐、胃炎、胃不快感、口唇炎、腹部膨満、口腔ヘルペス、ウイルス性胃腸炎、イレウス、痔核、食道炎、歯痛(歯知覚過敏を含む)、胃潰瘍、口腔カンジダ症、口内乾燥、消化不良、歯肉腫脹、腹部不快感、腹部腫瘤、痔煥、結腸ポリープ、腸憩室、十二指腸潰瘍、十二指腸炎、心痛部不快感、胃ポリープ、消化管アミロイドーシス、胃腸出血、歯肉形成不全、歯肉痛、舌痛、口の感覚鈍麻、過敏性腸症候群、食道潰瘍、腹膜炎、肛門周囲痛、顎下腺腫大、舌苔、歯の脱落、食道静脈瘤、腹部膿瘍、胃腸感染、ヘリコバクター感染、耳下腺炎、歯膿瘍、歯感染、血便、便通不規則、歯不快感、口唇乾燥、耳下腺腫大、舌腫脹、歯の障害、カンピロバクター腸感染、肛門周囲膿瘍、歯髄炎、腎臓の良性新生物、腸管穿孔、肛門性器挽贅、肛門狭窄、横隔膜下膿瘍、瘢痕ヘルニア、鼡径ヘルニア、胃酸過多、腎腫大、急性腎炎、直腸腺腫、胃腸異形成、口唇痛、唾液腺炎、憩室炎、口腔内潰瘍形成、直腸出血、大腸炎、小腸炎

肝臓

 肝酵素上昇、脂肪肝、血中ビリルビン増加、胆石症、アルコール性肝疾患、原発性胆汁性肝硬変、胆嚢ポリープ、肝臓うっ血、肝機能検査値異常、ALP減少、胆嚢炎、胆管炎、肝壊死、肝炎、B型肝炎の再燃

皮膚

 発疹、そう痒症、湿疹、白癬感染、紅斑、葦麻疹、毛包炎、皮膚炎(接触性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎を含む)、皮膚真菌感染、皮膚乳頭腫、皮下出血、帯状庖疹、ざ瘡、脱毛症、爪囲炎、皮膚潰瘍、皮膚乾燥、過角化、皮下組織膿瘍、紫斑、感染性表皮嚢胞、伝染性軟属腫、皮膚細菌感染、手足口病、膿痂疹、膿皮症、挫傷、結核菌皮膚テスト陽性、メラノサイト性母斑、脂漏性角化症、脂肪腫、黄色腫、紅色汗疹、ヘノッホ・シェンライン紫斑病、膿疱性乾癬、多汗症、嵌入爪、乾癬、水庖、褥瘡性潰瘍、皮膚嚢腫、発汗障害、皮膚疼痛、光線過敏性反応、脂漏、皮膚びらん、皮膚剥脱、皮膚硬結、顔面腫脹、乾皮症、黄色爪症候群、せつ、冷汗、面皰、皮膚エリテマトーデス、痂皮、皮膚小結節、肉芽腫、肥厚性瘢痕、多形紅斑、爪の障害、口唇色素沈着、血管浮腫、斑状出血、脂肪織炎、血管神経性浮腫、皮膚血管炎

筋骨格系

 骨折、背部痛、関節痛、四肢痛、筋痛、骨粗粗症、滑液嚢腫、腱断裂、骨密度減少、筋骨格硬直、変形性脊椎炎、関節破壊、筋骨格系胸痛、筋骨格痛、環軸椎不安定、鼡径部腫瘤、椎間板突出、関節腫脹、四肢不快感、腰部脊椎管狭窄、筋痙縮、筋力低下、頚部痛、骨関節炎、肩回旋筋腱板症候群、筋肉減少症、関節炎、関節障害、四肢の結節、脊椎すべり症、脊部痛、椎間板変性症、関節周囲炎、肩痛、椎間板炎、関節捻挫、頚部腫瘤、筋炎、手根管症候群、滑液包炎、ミオパチー、横紋筋融解症

内分泌系

 甲状腺腫、甲状腺機能亢進症、血中ヒト絨毛性ゴナドトロピン増加、甲状腺機能低下症、副腎腺腫、甲状腺障害

泌尿器・生殖器

 血尿、膀胱炎、女性生殖器系感染、蛋白尿、血中尿素増加、尿沈澄陽性、尿中白血球エステラーゼ陽性、尿中ブドウ糖陽性、尿中ケトン体陽性、尿中細菌検出、夜間頻尿、不正子宮出血、腎・尿路結石、腎膿瘍、血中クレアチニン増加、子宮平滑筋腫、腎機能障害、頻尿、慢性腎不全、水腎症、腎梗塞、腺筋症、性器出血、月経過多、前立腺炎、陰部そう痒症、腔分泌物、尿pH上昇、陰嚢水瘤、尖圭コンジローマ、淋疾、尿道炎、尿中結晶陽性、排尿困難、尿意切迫、腎血管障害、良性前立腺肥大症、精巣上体炎、腔腫脹、前立腺特異性抗原増加、緊張性膀胱、無月経、不規則月経、閉経期症状、膀胱及び尿道症状、腎臓痛、月経周期障害

全身症状

 発熱、倦怠感、浮腫、胸痛、季節性アレルギー、単純ヘルペス感染、異常感、胸部不快感、ウイルス感染、悪寒、冷感、化膿、口渇、疲労、腫瘤、顔面浮腫、熱感、低体温、治癒不良、異物感、潰瘍、食物アレルギー、抗酸性悍菌感染、クリプトコッカス症、感染、転倒、背部損傷、創腐敗、CT異常、胸部X線異常、免疫学的検査異常、全身性エリテマトーデス、線維腺腫、乳房の良性新生物、乳房痛、乳頭痛、側腹部痛、真菌感染、腋窩痛、細菌感染、疼痛、圧迫感、腫脹、金属アレルギー、大腸菌感染、無力症、成長遅延、インフルエンザ様疾患、サルコイドーシス

投与部位

 注射部位反応、(紅斑、そう痒感、発疹、出血、腫脹、硬結等)


http://www.eisai.jp/medical/products/di/PI/PDF/HUR_SY_PI.pdf より引用)

          ◇

 ――はい。副作用で死にますね。

 実際ありました、「間質性肺炎」。
 おいおい! まえもこれで知らないうちに死ぬところだったんだぞ。松本先生が初期で見つけてくださったからよかったものの。
 てか、いきなり1行目にがんになるって書いてあります。
 ほかにも「心停止」とか、すげぇのがある。これは治療中の死亡ということであり、副作用ではなくいわゆる「心不全」として処理され闇に葬られる薬害死、と近藤誠医師が本に書いているものです。

 さて、これを患者にはどう説明しているか?
 「患者むけ」のボタンをクリック。
 なんだこりゃ。
 うって変わって、かわいい表紙のPDFファイルが出た。

 (ご覧になりたい方はどうぞ)
 http://www.e-humira.jp/pcd/pdf/HUR1092EKA.pdf

 ああ、実際に患者に見せるパンフレットか。
 どれどれ――。

          ◇

  クローン病治療の
  新たな選択肢

  ヒュミラについて

  <皮下注射剤>

(中略)


 クローン病の原因はまだ完全には分かっていません。しかし、最近の研究で、もともとの体質(遺伝的素因)や食事などの環境要因が絡み合うことで細菌や異物などから身体を守る「免疫」の調節機構が障害され、これがクローン病と関係していることが分かってきました。(中略)
 免疫にかかわっている物質はいろいろありますが、大きな役割を担っているのが「TNFα(ティーエヌエフアルファ)」と呼ばれるたん白質です。TNFαは、免疫や炎症に関係するサイトカインの一種で、身体を細菌や異物から守る大切な働きをしています。しかし、TNFαが過剰に放出されると、さまざまな臓器や細胞に作用して、炎症を引き起こしたり悪化させる原因となります。
 「TNFα」には、TNFαそのものが消化管内を刺激して炎症を引き起こす直接作用だけでなく、炎症を引き起こす別のサイトカインの産生を促して、炎症を引き起こしたり悪化させる“間接作用”もあります。
 こうしたことから、TNFαは、炎症を引き起こすサイトカインの“司令塔”のような物質と考えられています。
 クローン病の患者さんの腸管を調べると、患部でTNFαが大量に産生されています。(中略)こうした炎症性サイトカインの刺激によって腸の粘膜が傷つくことで、下痢や腹痛などのつらい症状があらわれるのです。

http://www.e-humira.jp/pcd/pdf/HUR1092EKA.pdf より引用)

          ◇

 また、あいも変わらず……。もう「以下同文」でよかろう。
 いやちょっとまて。
 おいおいおい! このTNFαのイラストは、何だ!?
 バイキンマンをアメコミの劇画調にしたみたいな、おどろおどろしい顔つき、まるで病原菌あつかいだ。

 (ご覧になりたい方はどうぞ)
 http://www.e-humira.jp/pcd/pdf/HUR1092EKA.pdf#page=6

 さらに、その横で医者がニタリと笑っている。「ほら、これが悪い奴ですよ」と言わんばかりだ。ひどい……ひどいよ先生……。
 ああ、そして次のページでは、その劇画調バイキンマンが腸を食い荒らしている。
 もし10年前、なんの予備知識もない私がこれを見ていたら、はたして免疫を味方だとおもえただろうか。いや、免疫のみが、味方であると。無理だろう。
 その、次のページ。

          ◇

 「ヒュミラ」は、炎症の原因となるTNFαの働きを抑えることで症状を改善します(同)

          ◇

 でた。さっそうと正義の味方登場! こんどのイラストは、アンパンマンのごとく現れたヒーロー“ヒュミラ”が、TNFαを退治している。
 だがこれはまだおとなしいほうで、いままで勧められていた“レミケード”のパンフレットではこの絵がもっとあからさまである。

 (ご覧になりたい方はどうぞ)
 http://medical.mt-pharma.co.jp/di/file/prescribe/pdf/rec-312l.pdf#page=11

 まったくの冤罪。でたらめなヒーロー。イラストを見て、ますます、クスリはするまいと決意した。

 これに対し、松本仁幸先生の見解はこうである。

          ◇

 TNFの働きを抑える薬がレミケードであり、ヒュミラであります。(中略)
 TNF-α(中略)の最も重要な役割は、(中略)CRPや、他にMBL、SP-A、SP-Dのようなタンパク質など肝臓で産生させるのです。(中略)それではこれらのCRPやMBLやSA-PやSP-Dはどんな仕事をするのでしょうか?
 病原体である細菌やウイルスや化学物質(ハプテン)と結びついたタンパクに取り付いて、これらの病原体を大食細胞や好中球に食べさせるのです。(中略)
 レミケードやヒュミラは、敵である化学物質を処理するために最初に一番大事な仕事をしてくれるTNF-αの働きをなくすことによって、炎症は起こらないのですが、化学物質はいつまでも人体に残ることになってしまうのです。しかもレミケードやヒュミラも化学物質であるので、人間にとっては異物となり、長年摂取し続けるとショックを起こしてしまうことがあるのです。

(松本医院ホームページ「クローン病と診断されたら」 http://www.matsumotoclinic.com/column/column_49.pdf より引用)


          ◇

 TNFαは免疫活動の出発点、川でいえば源流にあたるところだ。その源流を枯らせば、いっさいの免疫活動は停止し、クラススイッチは起きなくなり、とうぜんその先も免疫寛容もおこりえず、治るクローン病は治らなくなり、そのうえ「間質性肺炎」などの死に至る難病まで新たにしょいこむ。

 ではエーザイさんの説明に戻って――。

 患者むけのパンフレットには、終わりのほうに、れいによってひっそりと「副作用」の記述がある。
 そこまでの「作用」の記述は、大きな図解ではなばなしいのに対し、こっちは、文字だけでくちゃくちゃ、しかもフォントサイズをひと回り小さくしてある。
 いかにも、「いやね、たいして重要なことじゃないんですけどね、パンフレットなんでいちおうは書かなきゃいけないことになっているだけでして、保険の同意事項の紙と同じで、べつに読んでもらおうって気はないし、ここは読まなくていいんですよ、ははは」と言いたいらしい。
 書いてある副作用の数は18個。シンプル……。あれをぜんぶ書いたらそれだけでパンフレット終わっちゃうもんなあ。だがそれにしても、はしょった。
 で、だいじな“間質性肺炎”の説明は、どうなっている?

          ◇

 【間質性肺炎】
 発熱や咳、息苦しい、全身のだるさといった症状があらわれることがあります。
(同)

          ◇

 これだけ……? 10年以内に死ぬってちゃんと書いたほうがよくないですか?

 ――こんな毒薬、断るに決まっている。決まっているけど、いつまでも治療をモタついていると、だんだん断りにくくなってくる。
 エレンタール置き換え作戦は、うまくいっている。栄養状態は改善していた。あとは時間の問題で白血球が増えてくる、はず。
 その時間、早められないかな。

 (つづく)




 ※松本医院での診療を希望される方は
  松本医院ホームページ http://www.matsumotoclinic.com
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 ◆ 編集後記
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ヒュミラ……。ロールプレイングゲームに出てくる敵の名前みてぇだ(それはヒュドラ)。





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大豆プロテイン大作戦 [2015年11月28日(Sat)]

  ◆続・クローン病中ひざくりげ(129)
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 「まずは体重を戻さないとなあ」
 あれから42キロまで増えた。増えた、といっても、クローン病がこうまでひどくなるまえは50キロあったのだ。少なくとも46キロくらいにはせねば。それでようやく免疫力を上げる治療が緒(ちょ)についたといえる。

 “免疫力を上げる”とは、“リンパ球を増やす”ことである。ならばリンパ球の材料が要(い)る。材料になるのはタンパク質だ。もっと正確にいうなら、アミノ酸である。
 食事からとったタンパク質は、そのままでは人間の細胞になりえない。異なる生物のタンパク質は、免疫が異物として認識し排除されるだけなのだ(これが病気として発現しているのがアレルギー)。胃酸で消化して、アミノ酸にバラして、人間用のタンパク質に組み直して、はじめてわれわれは利用できる。
 だからふつうのひとはタンパク質(肉、魚、大豆)をとればよい。しかし、わたしは消化しているそばから下痢をしてしまうので、それだと吸収しているのだかどうだか。まったくしないことはなかろうが、心もとない。
 そこで、必要があればアミノ酸を飲むよう松本先生から指示されているのだ。

 だがこのアミノ酸、2つ、問題がある。

 1つは……値段が高い!
 先生から処方される“アミノバクト”は1包4.7グラムで207円する。100グラム4400円。松阪牛もびっくりの高級品なのである。これを1日3回飲むべきなのだが、そんなカネ、ない。もっと安い商品もネットで見つけたが、それでも高い。

 もう1つは……クソ不味い!
 松阪牛よりも高級ならば相応の味がしてくれればよいが、吐瀉物(としゃぶつ)の味がする。それもそのはず、夜の繁華街で散見するあれの臭さはアミノ酸の臭さなのである。飲むためのモチベーションがいまいち上がらない。とゼイタク言わずに飲みゃいいんだが、飲むのがよろこびになるにこしたことはない。

 「そうだ」そこで両者をいっぺんにクリアする案を思いついた。「プロテインってどうだろ?」
 これなら値段も味も問題ないはず。もちろん、タンパク質のままだからアミノ酸よりも吸収率は落ちるだろう。あるいはまったくの無駄かもしれない。だが試す価値は、ある。

 狙うは“大豆プロテイン”である。
 プロテインの原料にはホエイ(牛乳)と大豆の2つがあるが、牛乳は、甲田式ニショッカー(2食家)のわたしとしては避けたいところ。ゆえに大豆プロテインの1択となる。
 ここでさらに注意事項が。大豆は、トウモロコシとならんで最も遺伝子組み換えが進んでいる作物である。粉にしちまえばわかるめえ、と遺伝子組み換え大豆を使用しているプロテインがあってもおかしくない。
 そこで、
 「遺伝子組み換えでない大豆プロテイン」
 これで決まり♪ さっそく調べてみましょう。
 「わ! 安っ!」
 やっぱりだ。利用者が多いものは価格が熟(こな)れていますな。レビューをみると、味もいいらしいぞ。
 いろいろ探してみて、質・価格ともにこれがベストとおもわれた。

 <NICHIGA 大豆プロテイン無添加ピュアパウダー 1kg>
 http://amazon.co.jp/o/ASIN/B00AY6KTPQ/jironosyosai-22/


 味つけのために添加物てんこもりの商品が多いなか、原材料は「大豆、乳化剤」のみ。乳化剤は、水と混ぜる必要があるゆえ、どうしても外せないようだ。だがこれは、その乳化剤である大豆レシチンまでもが「遺伝子組み換えでない」!
 それでいて、ネットでみつけた格安アミノ酸のさらに5分の1のお値段! うん、これで決まり♪
 3袋だとより安くなるが、とりあえず1袋。さっそく注文しましょう。ポチッとな。

          ◇

 そして、届きました。
 では飲んでみましょう。まずはそのまま水でといて、と。
 ……うん。香ばしくない黄粉(きなこ)ですな。
 このままでも飲めないことはないが、よろこんで飲みたい味ではない。治療のためなのだから、ゼイタク言わずに飲みゃいいんだが、飲むのがよろこびになるにこしたことはない。

 すると「プロテイン飲むの? じゃ、あたしも飲む」
 家内がノッてきてくれたのである。強力な援軍だ。
 じつは大豆プロテイン、だれが飲んでも体にいい。だって、豆腐と同じだもの。ちがうのは、豆腐は単品で摂取するとお猪口(ちょこ)を出したくなるが、こっちはならないという点である。
 家内は、ミキサーに豆乳を投入、そこへプロテイン、さらにバナナとリンゴを加えて回しはじめた。さすがである。こんなこと男は、思いついてもやらない。
 「これうめぇー!」
 さっきとは一転、バナナシェイクです♪
 「あ、そしたらさ、ここに粉末緑茶いれてみない? 無農薬のやつ」
 男は口だけ出す。
 「激ウマー! バナナ抹茶シェイクだ♪」
 これは、飲むのがよろこびになるウマさです。じつにいいおやつができました。

 じゃなかった。これで体重が増えるかどうかの実験だった。
 さて、どうなるか。

 (つづく)




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 ◆ 編集後記
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 キユーピー3分クッキングをみていたら、「ここで牛乳を投入」と言ったので、思わずツッコんだ。
 「そこは豆乳を投入だろ!」
 ダジャレ的にも。





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