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松井 二郎
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心的外傷後ストレス障害(PTSD)は筋肉が起こす [2015年02月02日(Mon)]

  ◆続・クローン病中ひざくりげ(104)
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 父のゲンコツを待つあいだ、私の体は固まった。クラスメイトの手やら足やらが飛んでくるときも固まった。
 「固まる」ことで、トラウマは筋肉に刻みこまれた。いま、そこから問題が起きているのだ。

 弱いなら弱いなりに、弱くなることに徹し、震えていればよかった。
 しかし、強くあらねばと私は思った。反撃できないのなら、せめて、この痛みと恐怖に耐えたいと望んだ。
 これがまちがいだった!
 無知な、子供の私は、まちがった選択をしてしまった。固まって耐える、という選択を。
 とはいえ、耐えるほかにどうすることもできなかった。ほかに、生き抜く方法はなかったのだ、が、これが私にやっかいな変化をもたらした。――(以下は引用)

          ◇

 どうすることもできないと感じる状況に直面すると、私たちは硬直してしまうことがあります。このような状態では、私たちは直面している危険を切り抜けるための力を引き出すことができません。まったく動けなくなるのです。
 カエルのお腹をこすると、カエルは動かなくなるという実験があります。カエルは本当に凍りついて硬直しているのです。これはカエルにはまったく安全な状態です。カエルは心拍数を1分間に2、3回に落とすことによって、泥の中で冬の間ずっと、冬眠することができるからです。

 しかし、哺乳類にとっては、硬直は長引くと危険です。哺乳類が硬直する時、脳はエンドルフィンを放出します。このような状態では副交感神経が支配的になり、植物状態になります。
 硬直を解くプロセスを行うことは、とても大切です。安全にトラウマを再体験する方法として役に立つからです。すると、トラウマは私たちの記憶に残らずにすみます。記憶に残ってしまうと、何年にもわたって、何かのきっかけで何回でも思い出すようになります。
 だから、このエネルギーをため込まずに放出することが必要なのです。

 ヘリコプターに追われていることに気づいた北極グマを想像してください。ヘリコプターを天敵だと思った北極グマの最初の反応は、逃げることです。ヘリコプターと闘うことはできないからです。しかし、ヘリコプターは追跡を続け、クマは疲れてだんだん速度を落とし、ついに地面に倒れます。そして硬直状態になります。硬直状態から抜け出すと、クマは激しく震え始めます。それと同時に、仰向けか横向きに横たわったまま、手足を空中で動かして「走る」動作をします。つまり、クマは硬直状態になる直前に行っていたことをしているのです。ただ、今度は、本当に逃げるのではなくその動作をしているだけです。逃げる間にしていた動作をうまく再現することによって、クマはトラウマによって生じたエネルギーを放出しているのです。

 北極グマと違って、硬直をうまく終わらせることができない動物もいます。すると問題が生じます。硬直反応をうまく解放できない時、動物は弾力性を失って脅威に対処する能力が低くなります。このような動物には、動物園の動物、研究施設にいる動物、家畜やペット、そして人間などが含まれます。みんな、社会的に北極グマのような行動はすべきではないと教え込まれています。こうした動物はどれも物理的、または文化的な檻の中で生きていて、その中では規律や社会の規則が硬直の解放を禁じているのです。その結果、こうした動物はさまざまな身体的、心理的な問題に苦しみます。
 私たちが硬直すると、非現実的な感覚、体外離脱状態、記憶喪失、自分が誰か分からなくなる、多重人格などが起こります。また、時間が止まってしまう、人生全体が一瞬のうちに目の前で通り過ぎるなど、時間の観念が歪むこともあります。(中略)

 心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、トラウマになる出来事が起こった時に発生した興奮がそのまま残ることによって生じます。トラウマの間に収縮した筋肉が、その後すぐに過剰なエネルギーを発散しないままでいると、体を休息の状態にする方法として、筋肉を収縮させ続けようとします。この高いエネルギー状態が発散されずにいると、それは神経回路にため込まれて、繰り返し強迫的な行動の原因となります。筋肉の緊張を体の震えによって発散するまで、自分を守ろうとするこの慢性的なプロセスは繰り返し続けられます。

デイヴィッド・バーセリ『人生を変えるトラウマ解放エクササイズ』

          ◇

 「非現実的な感覚」「体外離脱状態」「自分が誰か分からなくなる」……そう聞いて思い出すのは、父のゲンコツでもない、小学校でいじめられたことでもない、中学で集団無視にあっていたときの感覚だ。

 小学校での、殴る、蹴るといったいじめもつらかったが、いじめっ子たちは私にふつうに話しかけてきた。いまにして思うに、彼らにはいじめているという意識はなかったのだろう。話しかけてもうまく返事ができない私とコミュニケーションをとる手段でさえあったのかもしれない。
 しかし中学校でおこなわれた「集団無視」は、それとはまったく性質が異なっていた。私に対して、だれもコミュニケーションをとらなくなった。
 教室では、休み時間も給食の時間も、私が存在していないものとして時間が流れた。私は空気になっていた。いつでも、ひとりポツンと、クラスのゴミのようにしている惨(みじ)めさといったらなかった。
 学校という、一種のムラ社会において、だれも口をきいてくれないことほどつらいものはない。実際の「村八分」というものがいかに人を社会から抹殺してしまう方法であったか、私はこのとき体験してわかった。
 人を殺すに、刃物はいらない。口をきいてやらなければいいのである。

 さらにこれが、まもなく「集団いじめ」にエスカレートした。コミュニケーションがない状態で、攻撃だけはおこなわれるのである。
 それも、殴る、蹴るという安直な方法をもはや彼らはとらなかった。クラスじゅうに聞こえるように悪口を叫びまくり、私が教室にいないあいだに机の中の教科書を床にぶちまけ、ニセのラブレターをつかって体育館の裏に呼び出し、「また仲良くしてほしい」といじめの首謀者にあてた手紙を回し読みしたあとで「これ、いらないから」と丸めて私に投げつけた。
 私は、小学生のとき体得した「いじめの対処法」を、つかった。抵抗せず、されるがままにして、固まった。
 しかしそれでもまだ、惨めさに耐え切れなかった。そこで、もうひと工夫を加えた。
 「これは現実に起こっていることではない。現実と思わなければいい。いや、現実だとしても、何も感じなければいいではないか」
 心と体を、切り離すことにしたのである。
 「もうすぐ卒業だ。ふん。あと3ヵ月だけ、感情をなくしていればいいだけのことだ」
 3ヵ月は、長かった。3年くらいには感じた。

 ようやく高校生になり、あの陰惨な教室から逃げ出すことができた。
 よし。切り離した心と体を、もとどおりつなげよう。
 私はそれを試みた。
 だが、だめなのだ。心と体が、いつも分離しているように感じる。
 たとえば学校の帰り道、歩道橋のうえを歩いている。さらにその上空から、自分を見下ろしている自分がいる。で、歩道橋のほうの自分はというと、歩いている実感がない。足がフワフワと地面から浮いているようだ。それどころか、自分の体がいまここにあるのを感じることができない。
 この体と心をつなげるには、社会人になってからカウンセリングを始めるのを待たねばならなかった。だいぶ回復したと思う。それでも、完全には治っていないのを感じる。

 ここまで読んできた理論からすれば、中学生のときも、私は固まらずに震えていればよかったのだろう。しかしそうしなかった。そのため「収縮した筋肉が、その後すぐに過剰なエネルギーを発散しないままでいると、体を休息の状態にする方法として、筋肉を収縮させ続けようとし」、「高いエネルギー状態が」「神経回路にため込まれ」た。それからずっと「筋肉の緊張を体の震えによって発散するまで、自分を守ろうとするこの慢性的なプロセスは繰り返し続けられ」、今なお続いているのだ。
 だから、いくらストレスを除いても、モグラ叩きのように、あとからあとからストレスがわいて出て、叩いても叩いても追いつかない。

          ◇

 ……と、ずいぶん長いこと引用してきたが、以上が、脳よりもむしろ体にトラウマが刻まれてしまう理論である。
 なぜ、いくら免疫力を上げる努力をしてもクローン病が治らないのか? これでナゾが解けた。
 そして、この体に残っているトラウマを解放する方法が、TRE(トラウマ・リリース・エクササイズ)なのである!

 (つづく)




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 ◆ 編集後記
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 このころ、久しぶりに会った兄、「二郎、『人間失格』見てるか?」
 KinKi Kids主演の、いじめがテーマのドラマだが、
 「見てない……」
 「なんで見ねえんだ! あんないいドラマ」
 って、見れるかぁーい。





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トラウマ解放エクササイズをやってみた [2015年02月14日(Sat)]

  ◆続・クローン病中ひざくりげ(105)
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 「筋肉の緊張を体の震えによって発散するまで、自分を守ろうとするこの慢性的なプロセスは繰り返し続けられます」、か。
 そういえば、まえに読んだ『自分を愛して!』にも、「自分を守ろうとするのをもうやめてください」とあった。さらに、「病気であるいまの状態をどう表現するか」という問いがあって、私は「身動きがとれない」とノートに書いた。
 これは、体が硬直を感じている、ということではないのか?
 TRE(トラウマ・リリース・エクササイズ)をすれば……私はここから抜け出せるかもしれない!

 どうやら、期待していたよりもはるかに、このTREってやつはすごそうだぞ。もしかしたらクローン病を治す切り札になるかもしれん。
 よーし、さっそくやってみようじゃないの。
 で、どうやるんだっけ? ……ふんふん、なるほど。
 といっても読者のかたには、なるほどといわれても、もうすっかりお忘れのことであろう。やり方は以前のメルマガに掲載したので、そちらをご参照……あ、もういっぺん載せりゃいいのか。
 では、もういっぺんどーぞ。


 ※長いです! 「わたしもやってみよう」という方以外は読まれなくていいです。お手数ですが、★印まで飛ばしてください。(★で検索すると早いです)

          ◇

 <再掲>

 TREのやり方


 この運動で最良の結果を得るために、また足やくるぶしが楽に動くように、床が滑りやすい場合以外は、靴とソックスを脱いで行ってください。


 エクササイズ1


【ステップ1】

 肩幅の広さに脚を開いて立ちます。

【ステップ2】

 ゆっくりと体を左右に動かします。両足の同じ方向へ重心がかかるようにします。つまり、片足の内側の側面で立ちます。この姿勢を15秒間保ちます。

【ステップ3】

 反対側に体の重心を傾けます。足はさっきと反対側に重心がかかるようにします。この運動をゆっくりと5回繰り返します。


 エクササイズ2


・Aのやり方(※やり方にAとBの2つの方法があります)

【ステップ1】

 壁に片方の手をつき、体を支えます。そして反対側の足を片手で後ろに持ち上げます。または、片足を椅子の上に乗せて、片足で立ちます。

【ステップ2】

 立っている方の足のかかとをできるだけ高く上げて、つま先立ちになります。疲れてきたら、かかとを床におろします。この運動を10回から15回繰り返します。この運動をするとふくらはぎが収縮して、熱や痛みを感じますが、これは普通のことです。ただ、あまり痛みを感じたら、やめてください。終わったら両脚で立ち、今使った足を激しくゆすって、痛みや熱や疲れを振り払いましょう。今度は逆の足で、この運動を繰り返します。今度も終わったら、両脚で立ち、使った足をゆすって、ふくらはぎの筋肉をリラックスさせます。

・Bのやり方

【ステップ1】

 両足をそろえて立ちます。片方の足に体重のすべてをかけます。もう一方の足はリラックスさせて軽く後ろに引きます。

【ステップ2】

 立っている方の足のかかとをできるだけ高く上げて、つま先立ちになります。疲れてきたら、かかとを床におろします。この運動を10回から15回繰り返します。この運動をするとふくらはぎが収縮して、熱や痛みを感じますが、これは普通のことです。ただ、あまり痛みを感じたら、やめてください。終わったら両脚で立ち、今使った足を激しくゆすって、痛みや熱や疲れを振り払いましょう。今度は逆の足で、この運動を繰り返します。今度も終わったら、両脚立ちになり、使った足をゆすって、ふくらはぎの筋肉をリラックスさせます。


 エクササイズ3


 この運動にはやり方が2種類あります。この運動は足にストレスを与えるためにとても役に立つ方法ですが、膝に問題を抱えている人は痛くて難しいかもしれません。この運動をする時は、体を曲げて床に手をつける代わりに、椅子の背につかまるか、壁に両手をついて、運動をやさしくすることもできます。椅子や壁を使ってもうまくできない時は、この運動はしなくてもかまいません。次の運動に進んでください。

・Aのやり方(※やり方にAとBの2つの方法があります)

【ステップ1】

 ゆっくりと体を曲げて、両手を床の上に置き、片方の足を後ろ側に上げて片脚立ちになります。

【ステップ2】

 次に、床についている足の膝をできるだけ深く曲げます。

【ステップ3】

 曲げた足をまっすぐに伸ばします。この運動を10〜15回繰り返します。あなたの脚の強さに応じて行ってください。足を替えて、同じ運動を行います。

・Bのやり方

【ステップ1】

 バランスをとるために壁に手をつくか、椅子の背もたれにつかまります。片方の足に体重をかけ、もう一方の足は少し後ろに引いてリラックスさせます。

【ステップ2】

 体重をかけた足の膝をできるだけゆっくりと曲げます。そしてまた伸ばします。この運動を5回繰り返してください。次に足を替えて同じ運動をします。


 エクササイズ4


【ステップ1】

 両脚を開いて立ちます。脚の内側の筋肉にストレッチを感じるまで両脚を広げます。

【ステップ2】

 前にかがみ、両手を床につけます。手がつかなくても自分が無理なく曲げられるところまで前屈します。太ももの内側の筋肉(内転筋)と膝の後ろ側(ひかがみ筋)が伸びるのを感じましょう。この形を保ち、大きく3回深呼吸をします。

【ステップ3】

 ゆっくりと、床についた両手を片方の足の前に動かしてゆきます。そこで動きを止め、ゆっくりと3回深呼吸をします。

【ステップ4】

 今度は、両手をもう一方の足の前に動かしてゆきます。再び、この形を保ち、3回深呼吸をします。

【ステップ5】

 次に、両手を両脚の間から体の真後ろに動かします。そこで動きを止め、3回深呼吸をします。足が震えてくるかもしれません。そのまま震えさせましょう。この運動を終えたら、ゆっくりと立ち上がって元の姿勢に戻ります。


 エクササイズ5


【ステップ1】

 次の動きの準備のため、両手のひらをお尻のすぐ上の背中の下部に当てます。

【ステップ2】

 骨盤を少し前方に突きだし、ゆっくりと背中を後ろにそらせます。太ももの前側にストレッチを感じます。この形を保ちながら、ゆっくりとした深呼吸を3回します。あまり後方にそらせすぎないようにしてください。軽くそらすだけで十分です。

【ステップ3】

 ゆっくりと腰を右か左にねじり、後方を見ます。この姿勢を保ちながら、ゆっくりと3回深呼吸をします。

【ステップ4】

 今度は反対側の後方を見るように腰をねじります。この姿勢を保って、ゆっくりと3回深呼吸をします。

【ステップ5】

 最後に、立った姿勢に戻ります。背中を少し後ろに曲げたまま、この姿勢を保ち、ゆっくりと3回深呼吸をします。


 エクササイズ6


【ステップ1】

 壁に背中を押しつけて、椅子に座った格好になります。こうすると、脚の上側の筋肉(大腿四頭筋)にストレスを与えます。楽な姿勢をとってください。
壁につけた背中が高すぎたり、低すぎたりしないようにしてください。足の位置が膝より前に出るようにします。2〜3分そうしていると太ももの筋肉が硬くなり、熱くなって振動し始めます。筋肉が少し痛くなってきたら、壁についた背中を5センチほど上にずらします。すると揺れが強くなり、痛みが弱まります。この姿勢でまた痛くなったら、さらに5センチほど上にずらします。脚に震えがきて、しかも痛みのない姿勢を探してください。

【ステップ2】

 揺れ始めたら5分間揺らし続けます。次に壁から離れて前屈します。手を床につけたまま、膝を少しだけ曲げます。多分、揺れがひどくなります。2〜3分間、そのままの姿勢を保ってください。


 エクササイズ7


【ステップ1】

 床に横になり、両足の裏をぴったりとつけ、膝をリラックスさせて、できるだけ脚を広く開きます。

【ステップ2】

 骨盤を床から5センチほど1分間もち上げます。その時、膝は広げてリラックスさせます。腕はどのようにしてもかまいません。頭の上、体の横、お腹の上など、どこに置いても結構です。自分が心地よい場所に置いてください。

【ステップ3】

 骨盤を床におろします。そして、膝を開いたまま、1分間リラックスします。脚が震えたり振動したりするのを感じ始めるかもしれません。

【ステップ4】

 両膝を5センチくらい最初の位置から狭めて、両膝頭を上に上げます。この姿勢を2分間続けます。揺れが強くなるかもしれません。その揺れが快適であれば、振動し続けてください。もし不快に感じたら、いつでも両脚を伸ばし、床の上でリラックスしてください。

【ステップ5】

 両膝をさらに5センチ近づけ、振動が脚全体に来るようにします。振動はもっと強くなります。もし不快に感じたら、両脚を伸ばし、床の上でリラックスしてください。両膝をさらに5センチ近づけ、振動し続けます。これ以後は、心地良い間、体が揺れ続けるままにして大丈夫です。

【ステップ6】

 次に、足底を床に平らにつけて、両膝は少し開けたままにします。振動は続きます。振動が骨盤と背中の下部分にも広がります。振動が長く続けば続くほど、深い慢性の緊張がより多く解放されます。疲れてくるかもしれません。一度で緊張のすべてを解放しようとしないでください。適当な時間の長さの運動量が体に合っています。もし体に疲れを感じたら、15分以上は続けないでください。15分を超え、疲れたと思ったら、いつでもやめてください。運動をやめる時は、脚を床の上にまっすぐに伸ばします。その後、横向きになって背中を丸めて休んでもかまいません。脚と骨盤の筋肉が楽になったら、ゆっくりと注意深く起き上がってください。


デイヴィッド・バーセリ『人生を変えるトラウマ解放エクササイズ』

 ※本には写真つきで掲載されています。

          ◇


 んじゃ、やってみるべ。
 いちおうエクササイズだ。なにかBGMが欲しいな。
 「よし、これでいくか」
 クイーンのアルバム『The Miracle』をセレクト。♪Come back and play! ヘイヘイ! Come back and play! イヤアァァァ! ノッてきたぜぃ。

 (で、本のとおりにやってみた。)

 うおお。あ、足、疲れる〜。
 これ、ふつうの人がやってもけっこうキツいんでない? まして私は、体重41キロ、足は棒切れ、ちょっとした筋トレだ。
 うっ。しかも、おしりの痔瘻(じろう)がイテぇ。
 かまわぬ。肉を切らせて骨を断つのだ。
 ほんとに肉、切れてますけど。
 んで、これをやっていると、途中から足が勝手に震えはじめるというのだが、……変化なし。
 えー、なんでよ!?
 あ、でも「最初はうまく震えなかったが何回かすると震えはじめた」ってアマゾンレビューに書いてる人がいたっけ。とりあえず最後までやってみよう。
 お? おお?
 おおおっ?
 震えた! 震えはじめたぞっ!
 自分では動かそうとしていないのに、太ももがピクッ、ピクッ、ピクッ、ピクッと、「こっくりさん」みたいに動くぅ〜。おもしれ〜。
 お? お? お? お?
 こんどは、ビックンビックン、わざとやってんじゃないの? ってほど揺れてきたぁ!
 お、お、おお〜。ほんとに骨盤まで揺れが伝わってるぞ。なんか、これ、気持ちいいかも……。
 終了〜♪

          ◇

 ふう。
 えーと、もちろん、ただちにトラウマが解放された実感はありません。でも、心地よい疲れを感じますな。
 かかった時間ですが、『The Miracle』がひととおり聴き終わりました。えー? じゃ1時間もやってたんかい!
 まあ最初だから、いちいち本をひらいてやり方を確認しながらだったし、次からは短縮できるだろうけど(実際、40分強になった)。これを長いと思うか、短いと思うか。理論どおりの効果がほんとうに得られるなら、短いと思っていいでしょ。カウンセリングだって1回これくらいはかかる(待ち時間を入れたらもっとだが)。それよりもなんせこれ、治療費、タダだ。こりゃえ〜わ。
 その後、何回かやっているとだんだんコツもわかってきた。太ももに負荷がかかっているのを意識しながらやると、うまく震えられるみたいだ。

 このTRE、はじめの1ヵ月は1日おきに、1ヵ月たったら、あとは週に2回すればいいとのことである。
 なお、足がビックンビックン激しく揺れるのは、それだけトラウマがひどいしるしだそうだ。これが解放され、ストレスがほとんどなくなってくると、かすかに揺れるだけになるとのことである。
 また、私ほどひどいトラウマでなくても、日々の職場のストレスなんかも、これをやっていれば筋肉にためずにすむという。となると、これは難病予防体操だ! これはええ〜。
 「なら私もやってみようか」という方は、本には写真つきでやり方が出ているので、購入されたらいいと思う。カウンセリングに通うのを考えたら、タダみたいなもんだ。
 
 『人生を変えるトラウマ解放エクササイズ』
  http://amazon.co.jp/o/ASIN/4569804543/jironosyosai-22/

 それじゃあ、いくぜ! ♪Why don't you come back and play! Come back and play! ヘイヘイィィィ!

 (つづく)




 ◆ 編集後記
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 クイーンのなかで、このアルバムがいちばん、ふっ切れているというか、力が抜けつつ、パワフルで、好きです。
 わたしがノリノリでメルマガ書けるのは、難病といっても治るのがわかっているからだけど、このときのフレディは死を覚悟してたんだよなあ。
 病気とパフォーマンスは、関係がない、いや、病気になってなお良い仕事をするのがプロだとこのアルバムが教えてくれました。





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テレビをみてもトラウマになる [2015年02月26日(Thu)]

  ◆続・クローン病中ひざくりげ(106)
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 TRE(トラウマ解放エクササイズ)の理論は、前回で終わり。これは余談になるが――気になることが、あの本に書かれていた。
 トラウマは、いじめや虐待だけによるのではない。テレビを見ても起きるというのだ。
(以下は引用)

          ◇

 トラウマに直接さらされた人たちに加えて、何百万という人々がトラウマの間接的な影響を受けています。
 ニューオーリンズの街からの脱出の遅れやハリケーン・カトリーナの災害後の救援活動の不十分さなどを、世界中が目の当たりにしています。南アジアの津波の規模を知った時、私たちはどれほどショックを受けたでしょうか。それに加えて、この数年間に多くの災害がありました。バングラデシュの大水害、南メキシコの大洪水、中国の破壊的な水害、イギリスでの街を二分した洪水、パキスタンとペルーの地震、東日本での大震災、各地で起こった飛行機事故などです。
 こうした出来事は何千万人という人々に衝撃を与えました。このような出来事の被害を受けた人たちだけでなく、ジャーナリスト、人道的な救援活動家、さらにはテレビでこのような情景を見た人たちに至るまで、トラウマを体験しているのです。
 ヒューストンからニューオーリンズの復興のために働きに来たコンサルタントは次のように言っています。「一番驚いたことは、数力月後に家に戻った時、悲しみに打ちひしがれたことでした。本当にびっくりしました。私はカトリーナの被害を見ただけです。家族も家もまったく何でもなかったのに」(中略)

 ホラー映画を見ているうちに、怖くなってきたことはありませんか?
 長時間ホラー映画を見ていると、床の軋(きし)む音やドアを叩く音で恐怖を感じるほど、トラウマ状態になることがあります。
 ホラー映画を見た時のこうした体験は、トラウマを体験するには戦場にいることも、自然災害の被災地に実際にいる必要もない、ということを教えています。

 通信の発達のおかげで、ますます多くの人類の苦しみに気づくようになりました。これほど多くのトラウマにさらされた世代は、これまでありませんでした。今私たちは前の世代と比べて何倍もの死や悲劇を目にし、耳にしています。
 ニューヨークのツインタワーの崩落を思い出してください。どちらのビルも1回崩れただけです。しかし、私たちはテレビで何回も何回もツインタワーが崩落するのを見て、体験者と同じようなトラウマを感じました。ついには、国全体、または自分たちが絶滅するかのような恐怖に陥ってしまったのです。多くの人が飛行機に乗るのを恐れ始めました。アラブ人のように見える人たちに対する差別がどんどん増えました。ほとんどの人はアラブ人からひどく扱われたことなどなかったにもかかわらず……。

デイヴィッド・バーセリ『人生を変えるトラウマ解放エクササイズ』

          ◇

 まだ続くのだが、ここでちょっと註釈。
 これは、アメリカ人が書いた本であるから、アメリカ人の視点で語られている。日本人であれば、ここは東日本大震災を中心に書くところだろう。
 テレビが映しだす、激しい揺れ、逃げる人たち、押し寄せてくる津波、流される家や車、荒野になった町、ガレキの山、呆然と立ちつくす人、泣く人……。
 繰り返し、繰り返し、繰り返し、私たちはそれを見たし、いまでも見ることがある。
 先日の余震もショックであった。
 3・11のあの日から、こんにちまで、私たちの心はどれほど傷ついたであろう。
 では、続き。――

          ◇

 トラウマは今までになかったほど、私たちの心理に深く刻み込まれています。メディアを通して日常的に大規模で長期的なトラウマ体験にさらされることによって、私たちは文化的トラウマを作り出しているのです。これは「社会の文化組織への衝撃」と表現されています。
 メディアは私たちに世界中の悲惨な出来事の映像を提供して、被害を受けた人々を助けるように私たちを仕向けます。しかしその一方で、世界中の悲劇を知ることは、人間の心理に有害な影響を与えます。

(同)

          ◇

 ――ずっと前から疑問に思っていたことがあるのだ。
 テレビが報じる、犯罪のニュースである。
 「こんな男が、こんな人を、これこれの方法で殺した」。
 そんなの、全国民に知らせる必要が、あるのか?
 こんな殺人事件がありました。こんな放火事件がありました。犯人の動機はこうでした。犯行の手口はこうでした。そんなこと大々的に報じて、いったい何になるというのだ?
 ああ、ひどいことばっかりだ、世界は不幸で満ちている、まったく悲惨な世の中だ、世も末だ、おしまいだ。そんな、マイナスの、うしろ向きな感情を刻む効果があるだけではないのか。知らずにすむなら、知らなくていいことじゃないのだろうか。
 近ごろまた「人を殺してみたかった」との理由で事件がおきた。明らかに模倣犯である。過去のニュースをおぼえていて無意識にマネたのだ。

 もちろん、報じるべきニュースもある。トンネルの天井が落ちたとか、エスカレーターでケガをしたなどは、大々的に報じることによって遅れている対策が実施されるメリットがある。震災も、あの悲惨さをテレビで知ったからこそ、助けたい! と誰もが思った。「復興にはまだまだみなさんの援助が必要です」と繰り返し伝えることも、忘れっぽい私たちには必要なことだ。
 しかし、なんのたしにもならない、それどころか害毒でしかないニュース報道があまりに多いと私は思う。
 決して私は、知る権利や報道の自由を主張することに吝(やぶさ)かではない。むしろそれを熱望する人間のひとりである。だが、権利や自由はつねに危険がはらむものであることを自戒していたい。

 報じるのだったら、もっといいニュースはいくらでもある。「伊達直人」氏が施設にランドセルを寄付し、そのあと匿名の寄付があいついだニュースなんて、もうみんな忘れ去ったろう。
 こんなことで表彰された人がいます。こんなチャリティーイベントがありました。障害者がこんなチャレンジをしました。それをみんなで応援しました。へえ、まだまだ世のなか捨てたもんじゃないな、世界は幸福で満ちている、勇気のある人がいる、善意がいっぱいあふれてる。そう気づかせてくれるニュースだって山ほどある。
 なのに、それを報じない。トラウマになることばかりを、公共の電波でダダ流しにしているのは、いったいどうしたことだ?
 せいぜい私たちは、テレビをぼーっと見ていつのまにか意識を汚染されることのないよう気をつけたいものである。

 (つづく)




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 ◆ 編集後記
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 病床だと、ついテレビをぼーっと見ちゃうので、自戒をこめて。





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