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松井 二郎
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東洋マジックショー [2013年09月09日(Mon)]

  ◆続・クローン病中ひざくりげ(56)
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 (つづき)

 これは全身の自律神経の乱れが数分でととのったということであり、体じゅうの弱った臓器が一時的に一気に改善されたわけである。

 なぜ爪の生えぎわを刺激するとこんな効果があるのか?

 難病をおこすのは化学物質であるが、ふつうの人には何ともない。化学物質で難病になってしまうのは免疫力が異常に低下しているからだ。だから免疫の低下がそもそもの原因といえる。
 その免疫をコントロールしているのが "自律神経" である。よく交感神経とか副交感神経とかいわれるもので、この2つをまとめて "自律神経" という。
 交感神経がオンになっているときは、免疫が切れる。
 副交感神経がオンになると、免疫のスイッチが入る。
 のであるが、難病になる人は副交感神経がオンにならない。ようするに免疫のスイッチが切れっぱなしなのである。だから病気になるのだ。
 そこで "無血刺絡(むけつしらく)" である。
 爪の生えぎわの右端・左端のそれぞれ2ミリほど下。ここは、脊髄(せきずい)から伸びている自律神経が終わる場所であり、経絡でいうと、気の流れの末端部分である。ここを刺激することで、自律神経が驚く。痛みを「イヤだ」と感じ、反発しようとして活発にはたらく。これを "嫌なもの反射" という。この反射によって、自律神経は中庸(ちゅうよう)に向かおうとするのだ。つまり、交感神経がたかぶっていれば副交感神経のほうへ傾き、逆に、副交感神経のほうが過剰になっていれば交感神経がオンになる。すなわち自律神経の乱れがととのうのである。

 これを目的として "井穴刺絡(せいけつしらく)" という療法が、まずは開発された。先生が最初おっしゃっていた、「ほんとは血が出るんですが」という療法だ。
 これがそうである。
 http://www.geocities.jp/seiketusiraku/
 ページ上部のメニュー「井穴刺絡について」をクリックし、出たページのいちばん下の写真にご注目いただきたい。
 私、これを見た瞬間、ドキリとした。
 い、痛そぉ〜。

 これを、血を出さずに効果があがるよう研究されたものが "無血刺絡(むけつしらく)" だ。
 長田 裕氏という医師が井穴刺絡をもとに開発されたもので、だいたいの理論は、いま述べたとおりである。さらに詳細は『無血刺絡療法』(長田裕 著)を参照されたい。

          ◇

 この無血刺絡のおかげで、いままで1時間かかっていた治療が数分に短縮された。
 そこで鍼灸師さんは、これまで往診の時間が足りないために手が回らずにいた治療をしてくださるようになった。
 これが、よかった。
 なんと、口角炎(口のはしが切れる症状)が消えた。
 歯肉炎が治った。
 熱が38度をこえる日がなくなった。
 だるさがマシになった。
 おなかの痛みがやわらいだ。
 オシリのウミも減った。

 そして念願がかなった。
 歩けるように、なった。

 私のアパートは3階にあるのだが、玄関のトビラをあけ、おそるおそる1階まで降りてみる。
 歩けた。
 そして、また3階まで上がってみる。
 歩けた。
 やった、やった、歩けたぞ!

 しかし、息はあがった。足も、たったこれだけで疲れた。しばらく歩かずにいたあいだに、筋肉がずいぶん落ちたのだなあ。さあ、これから回復させるぞ。
 ほんとうは、まえのように近所を散歩してきたいのだけれど、無理はしないでおこう。きょうのところは、これで上々。

          ◇

 いやあ〜、よかった、よかった。
 松本医学は完璧、クローン病は必ず治るとわかっていても、こうもひどいリバウンドが2ヵ月も3ヵ月も続くと、心身ともに、まいってきてしまうのだ。一時は、どうなることかと思った。
 それにしてもスゲェな、"無血刺絡"。爪の生えぎわを、たった2〜3秒押すだけなのに、この威力。人体のフシギといおうか、中国4千年の秘宝というべきか。その宝が、まったく無名のまま、西洋医学のカゲにかくれて埋もれているのだ。人類にとって、大損失である。

 体重も増えてきた。42.1キロまで落ちていたのが、じわり、じわり、43キロまでは戻った。
 ヘルペスによる尋常でないだるさも、まあ尋常なだるさになっている。危機感を抱いていた仕事も、のろのろとだが、できるようになってきた。
 なんだか、全体的にいいかんじだ。

 「もしかして、ここが、リバウンドの "底" なんじゃない?」

 数日前あたりまでが、このクローン病治療のヤマだったのではないか。あとは、右肩あがりに、よくなってくるだけ。なあんてな。はっはっは。

          ◇

 「いでででで」

 あれ? おかしいな。
 歯が、痛い。
 うぐぐ。いでで。いかん。マジ、痛い。
 なんともいえない、あのスローモーションでゆっくり顔面を殴られるような、重たい、鈍い痛みが、グワ〜ン、グワ〜ンと、歯から目へ、頭全体へと襲ってくる。それが1日じゅう続く。ああ。仕事ができねえ。食事もできねえ。
 歯肉炎が復活している!
 なんで? 治ったはずなのに?

 かと思うと、また数日で治った。
 あれれェ? なんだったんだ、あれは。まあ、治って、よかった。
 かと思うと、また数日で復活した。
 いでででで。痛い。歯が痛い。グワ〜ングワ〜ンがきた。やめてくれ。
 するとまた数日で治った。
 また復活した。
 また治った。
 また復活した。
 また治った。
 また復活。

 なんなんだー! いてェぞー!

 「うっ」
 叫んだら、口のはしがパックリ切れた。
 え? これって、オイオイ。

 口角炎も復活かいー!

 なんだよ。これじゃ、ますます食事ができねえ。
 そういえば、体のだるさも、また異様なレベルになっている。
 あ! いてて。腹が。腹が痛い。腸をねじり切られるようだ。
 ぐ! おしりが痛い。針を刺されるようなあの痛みが戻ってきた。
 なんだか熱っぽいな。ちょっと計ってみるか。さ、38度9分ぅ!?
 まさか、体重も……。げ。42キロ台に、戻ってる。

 どうなっとるんじゃー!

 (つづく)




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 ◆ 編集後記
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

kao01.jpg いつもどおりのオチですね(笑)
 って、笑うとこかーい。





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刻むぞ免疫のチャートッ! 燃えつきるほどヒートッ! [2013年09月18日(Wed)]

 速報です。
 松本仁幸先生が、今後がん治療もされるとホームページで発表がありました。
 こちらに、がんに対する松本先生の見解が述べられています。
 http://www.matsumotoclinic.com/column/column_33.html

          ◇

 では、前回の続きを。




  ◆続・クローン病中ひざくりげ(57)
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 油断していたわけではない。
 けれども、またしても、歯が痛い。れいの歯肉炎である。

 「ああ、うう」

 場所はまえと同じ、左上の奥歯。グワ〜ン、グワ〜ンと、つねに激痛が波うち、その波が頭のてっぺんまで伝わる。奥歯から頭にむかって杭(くい)を打ちこまれているようだ。
 仕事をしないとヤバいのであるが、何も考えられない。口をぽっかりあけ、終日、フトンの上で天井を見ているしかない。

 ほんとうに、今度こそは、油断はなかったのだ。ヘルペスとの戦いでだるい体をひきずって、毎日歯を磨いていた。それどころか、痛いほうの歯でものを噛むこともしなかったのだ。まえは噛むと痛くなったから、噛みさえしなければいいだろうと考え、右側の歯だけで食事をすませるようにしていた。それなのに再発した。

 しかも、まえよりひどくなっている。
 前回はしばらく何も噛まずにいればおさまったのが、今度は、口をぽっかりあけて数時間しても、一日たっても、グワ〜ン、グワ〜ンがおさまってこない。
 もう一日待つ。
 おさまらない。
 さらにもう一日待つ。
 おさまらないのである。

 痛みもレベルアップし、冷たいものがしみるのは当たりまえ、熱いものもしみる。あわてて水を飲む。私は水は常温の水しか飲まない。それを飲んだ。
 ビキーン!
 「ぎゃあっ」
 しみるのである。常温の水が。
 それもふつうのしみかたではない。えぐられるようにしみる。

 歯磨きともなれば、激痛だ。
 歯ブラシがあたるだけで痛いので、磨くと自動的に悲鳴があがる。かまわず磨く。血がどっさり出る。うがいをする。
 ビキーン!
 「あぎゃああっ」

 あまりにひどいので、舌先で歯肉(しにく)をさわってみたら、
 「なんだこりゃ」
 ただれているのである。いきが悪くなった貝のように、ブヨブヨ、ビラビラしている。
 私は、あせった。ここまでひどくなったものが、免疫力だけで治るのだろうか? さすがにこれは、歯医者に行かなければならないのではないか。
 いや、前回、行ったんだ。それでも、痛み止めの注射をされるだけで、なんら解決にはならなかった。
 それなら免疫を下げるだけだ。やめておこう。
 とにかく、耐えよう。

 だが、しかし、それにしても治ってこない。
 再発してから3日たち、4日たち、5日たったが、いっこうに、痛みの勢いが衰えようとしない。
 治るのか、これ。

 6日たち、とうとう1週間、歯から頭に杭を打たれたままとなり、さすがに、まいった。

          ◇

 8日が過ぎて、ようやくおさまってきた。
 やれやれ。

 ところがだ。また、復活したのだ。
 そしてまたおさまった。
 また復活し、おさまり、何度でも歯肉炎になるのだった。

 それだけではなかった。
 口角炎も復活した。
 異様なだるさも戻ってきた。
 腹もねじり切られるように痛い。
 おしりに針を突き立てられるように痔瘻(じろう)も痛む。
 高熱もふつうに出るようになった。
 食欲がめっきり落ちたと思ったら、体重も42キロ台に、また落ちた。

 どうなっとるんじゃ。

 そしてこれらすべてが、歯肉炎がそうであるように、おさまっては、何度でも揺り戻すのだ。

 再び、歩けなくなった。

 フトンのうえで天井を見つめる。
 「そっか。相手はヘルペスなんだから、へたすると、クローン病が治るまで、いくらでも復活するんじゃないの?」
 免疫は右肩あがりに上がってくれるわけではない。治療を続けていても、株価のチャートのように、上がるときもあれば、落ちるときもある。機械ではない生身の人間を治すのだから、むりもない。
 すると、株価のチャートがストンと落ちたとき、ヘルペスウイルスは、
 「免疫が上がっているときはオレらの住みかの神経ごとずいぶん攻撃してくれたじゃねえか。やろうども! いまがチャンスだ。この体は、いまは免疫が落ちている。いまなら増殖してもとの数に戻れるぜ」
 と、またもや神経に増えまくる。
 免疫も黙っちゃいない。株価チャートが盛り返すと、
 「うおお、力がみなぎってきたぜええ。ああっ! ヘルペスウイルスのやつら、ちょっと目をはなしたスキにまた増えてやがる。みんな、いくぞ! 体内の異物はすべて殺す。それがぼくたちの仕事だッ! オラオラオラオラ」
 と、またしても神経ごと攻撃、体じゅうの神経に炎症をおこしていくのである。
 これで体じゅうが痛くなる。原因不明でかたづけられる難病のほとんどがこれだ。
 そして、このイタチごっこのような、何も治療が進んでいないかのような状態が、治るまで続く。
 そうだった。
 これが免疫のリバウンドというものなのであった。

 ああ。頭でわかっているのと、実際に体験してみるのとでは、雲泥の差だ。免疫を上げる治療が、ここまで苛烈(かれつ)を極めるものだとは。

          ◇

 「まあ、波はありますよねえ」

 鍼灸師さんは、そうねぎらってくれた。
 「じゃあ始めていきますか。きょうもコレからいきますね」
 「お、お願いします」
 チクリ。

 「いだぁあああっ!」

 (つづく)




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 ◆ 編集後記
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

kao01.jpg SE時代に商品先物のチャートをつくっていたのを思いだします。
 もう変数の宣言のしかたも忘れましたが。





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3分の2の私 [2013年09月28日(Sat)]

  ◆続・クローン病中ひざくりげ(58)
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 「いだぁあああっ!」

 鍼灸師さんがしてくれる "無血刺絡(むけつしらく)" は、効き目がすごいが、してもらうときの痛みもすごい。
 効くのだからしかたがないが、それにしてもあの医療用のトゲ抜きの先っちょというのはまるで針のようで、それを皮膚に穴があかないていどに押すといっても、ほんとうにびっくりするほど痛いのだ。

 あまりにも私が痛がるので、
 「じゃあ、ちょっとやり方を変えてみますか。たしかに刺激が強すぎるのも問題がありますので」
 と鍼灸師さんはトゲ抜きセッシのかわりに鍼灸用のハリを手にとった。
 「このハリの反対側のほうで押していきましょう」
 鍼灸用のハリは、施術(せじゅつ)者が持ちやすいよう、上半分はハリというよりも金属の棒になっている。円柱(えんちゅう)のかたちだ。だから刺すほうの反対側のほうは先端が平面なのである。そこで押すというのだ。
 「じゃ、押していきますね」
 「は、はい」
 おっ?
 あれ?
 およよ?

 「痛くなァい!」

 と昔のジレットのCMふうに言うのはやめておき、
 「痛くないです。いや、痛いんですが、トゲ抜きのときの10分の1くらいの痛さです」
 「ああ、それはよかった」

 痛くないぶん効き目はちょっと落ちるらしい。トゲ抜きで押したときは1発で消えていた多くのツボが、いくつか消えずに残るようになった。あるいは、消えかたが中途半端で、わずかに違和感が残っていたりする。それでも治療としては充分なのだ。残ってしまったツボはそのあとの鍼灸で消してもらえた。

 ところで、私はツボが「消える」「現れる」という表現をとっているが、これは鍼灸学としてはおかしいそうだ。読者さんからご指摘をいただいた。ツボ自体が消えるわけではなく、ツボはあるけれども詰まりがとれた、ということだそうである。そこは、誤解を与えたなら、申しわけない。
 モグラたたきのモグラは叩けばいなくなるけれど穴はなくならないようなものだ。そのうちモグラはまた顔をだす。穴がツボで、モグラがツボに現れる反応とおもってほしい。消えるのはモグラで、穴ではないのだが、体にかんじる感覚では、やはり
 「消えた!」
 という表現が、私にはしっくりくる。それほど見事に反応が消えるのである。

          ◇

 こうして、"無血刺絡"(の変形)はすっかり定番になった。
 その効果は睡眠時間にあらわれた。

 クローン病の下痢は、夜だろうがおかまいなしにくる。せっかく寝ついても、早ければ15分ほど、長くても1時間半のうちには便意で目がさめてしまうため、連続して眠れる時間はこれまで1時間半が最長であった。
 それが "無血刺絡(むけつしらく)" をしてもらうようになってから、一気に記録更新、連続して3時間も眠れるようになったのである!
 それだけ下痢が改善されたのだ。
 そして、3時間続けて眠れた日はじつに心身がスッキリする。人間らしい睡眠をとったというかんじだ。
 これだけで、ほんとうにうれしい。小躍りしたいほどだ。
 小躍りする体力、ないんですけど。

 鍼灸師さんのおかげで、わずかに、かすかに、免疫の「株価チャート」は上向きで変動しているような気がする。このまま続けていけば、波打ちながらでも、免疫は向上し、ヘルペスウイルスを駆逐し、神経の奥まで退却させ、歯肉炎も口角炎もだるさも片付けてくれるはずである。

          ◇

 気がかりなのは――体重が増えてこないことだ。

 いまの私の食事は "エレンタール" という栄養剤を600キロカロリー、そのほかに1食、おなかが減ればもう半食で補うというものである。ちゃんと計算したわけではないがだいたい1日1500キロカロリーくらいだ。これでまったくひもじい感じはない。
 それどころか、だるいわ、歯肉炎だわ、口角炎だわで、あのいやしい松井二郎が食欲を失うという仰天の大事件がおきているので、1500キロカロリーをとるのがやっとの状態だ。
 むりをしてこれ以上食べても、夜中に下痢で叩き起こされる回数とそのさいの腹痛がひどくなるだけである。
 限界まで食べて1500キロカロリーなのだから、いまの私はこの量で適正なのだろう。
 しかしそのわりには、いっこうに体重が増えない。

 いや、増えるのは増えるのだ。
 ところが、増えたと思うと、次回、体重を計ったときには減ってしまっている。
 42キロから43キロのあいだを、これも株価チャートのように、増えて、減って、増えて、減って、と上下しているだけなのだ。

 まあ、あまり気にしてもしょうがない。これは、もう少し様子見としよう。

          ◇

 ちなみに、私の身長170センチで体重43キロだと、BMI(ボディマスインデックス)は14.8である。
 BMIの標準値は22とされているから、やせすぎもやせすぎ、われながら棒切れが歩いているかのようだ。

 このBMIであるが、甲田光雄先生によると、一般に標準とされる22よりも、ほんとうは21くらいが理想的とのことである。
 BMIはつぎの計算式で求められる。

 【 体重(キログラム) ÷ 身長(メートル)の2乗

 だから私の場合43÷1.70^2で約14.8というわけだ。
 この計算式から、逆に、どのていどの体重になれば理想的な体型なのかも導ける。
 私は、本来は何キロなければいけないのだろうか?
 理想の体重を逆算する計算式はこうなる。

 【 身長(メートル) × 身長(メートル) × 21

 では当てはめてみよう。

  1.70×1.70×21
 =60.69

 約60.7キロだ。
 いまの私は、本来の私の3分の2しかないことになる。

 はやく人間になりたーい。

 といっても、60キロなんて数字、生まれてこのかたお目にかかったことがない。最高記録は55キロで、それでも「10キロは脂肪です」と医者から指摘されたから、実質45キロ。クローン病になる以前から腸がおかしくて栄養がとれていなかったのだ。
 そうなると、私が本来の私の体型になる日は、少なくともクローン病が治ったあとのお楽しみ、となる。
 そこからが、私の本当の人生の幕開けだ。

 まずは47キロあたりを目標とするか。
 大目標、だ。

          ◇

 この治療をはじめてから3回目の秋である。

 痔瘻とヘルペスの症状がかつてないほど激しい。免疫のリバウンドであるが、いまがいちばんひどい時期にきている気がする。
 鏡をみてみる。
 うん、今日もやつれてますな。
 いや、そこじゃなくって。アトピーがいっぱい出ている。"クラススイッチ" が進んでいる証拠だ。
 つらいけれど、何も心配はいらない。

 こんなときこそ、笑顔をつくろう。これも免疫にいいんだからね。さあ、口元を、上向きに。ニッ。
 「ぱっくり」

 いでぇぇぇっ! 口角炎がひらいたぁーっ!

 (つづく)




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 ◆ 編集後記
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

kao07.jpg 棒切れが歩いているためか、たまに外出すると私をすごい顔で見ていく人がいます。





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