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松井 二郎
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リビングデッドの逆襲 [2012年04月08日(Sun)]

 前回のつづき、いきまーす。
 2年前の日記をほぼそのまま書き写してます。では、ど〜ぞ♪




 ◆続・クローン病中ひざくりげ(3)
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 <治療開始8日目>(2010/4/29)

 最近、寝起きが超ダルい。免疫がヘルペスを攻撃しているのだろう。だが頭痛は起きず。抗ヘルペス剤が効いているおかげだろうか。
 と思っていたら、夜にひどい頭痛がおきた。それもベルクスロン錠(抗ヘルペス剤)をのむと和らぐ。

 こういう有用な薬があることを、私はついぞ知らなかった。松本先生に出会うまで、東洋医学は善、西洋医学は悪、と単純な二元論におちいっていた。しかし先生は両方を駆使される。本来あるべき医学のすがたがこれなのであろう。


 <9日目>(10/4/30)

 ヘルペスがひどい。体じゅうギシギシする。


 <10日目>(10/5/1)

 このごろ、目覚めは大変よい、が異様にダルい。寝るまえに抗ヘルペス剤を飲むようにしたためか、起床後の神経痛はない。
 漢方薬のおかげだろう、便の調子がよい。

 漢方薬は、世間の下痢止めとまったくちがう。いわゆる下痢止めは、これもクローン病に対して出されたものだが、まさに下痢がピタリと止まった。しかし、出るべき便が体内にとどまっているだけというかんじで、実際、体調が悪化した。それで服用は2日でやめたのだ。
 かたや漢方薬は、便自体が変化する。これまでよりも、やや硬く、出るまでに時間もかかることが多くなった。


 <12日目>(10/5/3)

 就寝前、両ヒジにブツブツがいっぱいできているのを発見。痛くもかゆくもないが。さらに夜中、目が覚めたとき、背中が異様にかゆかった。クラススイッチが起き始めているのだろうか?


 <16日目>(10/5/7)

 おなかは、ガスで張って苦しいことはあるが、痛むことがなくなってきた。


 <17日目>(10/5/8)

 ひたいの髪の生えぎわから上のほうにかけて湿疹ができているのを発見。クラススイッチだといいな〜。


 <25日目>(10/5/16)

 顔全体に赤いプツプツがあるのを発見。まだ、よく見ないとわからないほどで、かゆみもないのだが。


 <28日目>(10/5/19)

 2度目の松本医院。

 先生は「これ見てみい」と、医師用の、薬の副作用が列挙されている本をみせてくださった。ペンタサの副作用として "間質性肺炎" としっかり書いてある。なんということだ。
 「これを医者はみんな知っとるんやでえ」
 と先生。松本医院以外では、間質性肺炎の「か」の字もきいたことなし。

 「おしりのウミも出し切ろう」
 と言ってくださった。こんなことも、ついぞ聞いたことなし。

 なお、
 「アンタみたいな明るい人がクローン病になったのは世界の七不思議や」
 とのこと。
 つまり、クローン病の原因は化学物質にたいする抗体の逆クラススイッチであり、それをおこなうのは自分の心のありよう。私の外見と中身が一致しているのであれば、クローン病であるのはたいへん珍しい、という意味である。
 うーん。これについては、先生にご報告しなければならないことがある……。


 <1ヵ月と4日目>(10/5/25)

 とにかくダルい。


 <1ヵ月と5日目>(10/5/26)

 お電話にて、先日の血液検査の結果をきく。
 血沈50、CRP2.4で、よくなっている、だるいのはヘルペスだから、だるいときはベルクスロン(抗ヘルペス剤)を飲むようにとのこと。
 私の白血球数は「死にぞこない」の値だと冗談ふうにおっしゃった。もう死体になっている人ほどの数しかないらしい。それほど私は免疫をおさえてしまっていたのだ。


 <1ヵ月と16日目>(10/6/7)

 腹の痛みはほぼなくなっている。腹部膨満も軽減。便の中にウミがまじることもぼぼない。手足が冷たくなくなった。


 <1ヵ月と21日目>(10/6/13)

 痰がとまらない。肺が修復されているのだろうか?


 <2ヵ月と2日目>(10/6/23)

 知人から近所のよい鍼灸院を教えてもらい、地元でもハリ治療を開始!


 <2ヵ月と7日目>(10/6/28)

 食後の漢方薬が変更された。【 断痢湯(だんりとう) 】というらしい。もらった「お薬の説明」という紙によると……

 (内容)
 ・高砂ハンゲ……カラスビシャクの根茎、鎮吐、きょ痰、平喘作用
 ・花扇カンキョウ……ショウガの根、鎮痛。
 ・高砂ニンジン……オタネニンジンの根、強壮、健胃、強精作用
 ・花扇オウレン……炎症をとる。
 ・花扇タイソウ……ナツメの実、強壮、緩和。
 ・高砂ブクリョウ……マツホドの菌核。利尿、強心作用、
  筋肉のけいれんを緩める
 ・花扇カンゾウ……マメ科、バッファー作用、平滑筋弛緩作用。

 漢方のことが知りたくて購入した『漢方医学』(大塚敬節著)で、さっそくしらべる。断痢湯は載っていなかったが、よく似た半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)というものがみつかった。半夏瀉心湯ではオウゴンを使うところが、断痢湯ではブクリョウになっている。同書によると……

 【 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)】

 慢性腸炎に。慢性のものでも、体力、気力ともにまだ衰えず、心下痞硬、腹中雷鳴、下痢のある者を目標とする。

 ・半夏(ハンゲ)……カラスビシャクの塊茎。鎮嘔、鎮吐、去痰、
  利尿、上衝を治する。
 ・乾姜(カンキョウ)……ショウガの根茎を乾燥させたもの。
  健胃、鎮嘔、ならびに手足の厥冷を治する。
 ・人参(ニンジン)……チョウセンニンジンの根。強壮、強精、
  健胃、滋潤。
 ・茯苓(ブクリョウ)……ブクリョウの菌核。強壮、鎮静、利尿、
  体液の偏在を調整する。

 ふーん。すごいもんだな、漢方薬。
 って、これニゲェー!
 いままでの漢方はそれほど飲みにくさを感じなかったが、これはすさまじくニガい。まあ、このニガいのが良いのだ。


 <2ヵ月と11日目>(10/7/2)

 そういえば、最近ヘルペスによる神経痛がめったに出ない。
 それと入れかわるように、24時間キーンと耳鳴りがするようになった。
 思い出したが、幼いころから耳鳴りはあった(たぶん5歳くらいから。といっても物ごころついたころが5歳くらいであるから、もっと前からかもしれない)。てっきり、人間の耳というのは静かなところではこういう音がきこえるものなのだと思い込んでいた。
 あの音が、24時間ハッキリ聞こえるようになった。よもや、耳鳴りの原因もヘルペスであろうとは。
 ということは子供のころから免疫がおさえられていたのだろうか。


 <3ヵ月目>(10/7/22)

 毎朝、寝起きに痰が出ている。
 加えて、最近おしりから出るウミがやや増えた。
 おなかにたまるオナラは以前の8割といったところ。オナラの出やすさは倍。
 下痢の回数も8割。だいぶ硬くなってきている。
 腹痛はめったにない。まれに、腸の特定部位を便が通過するとき鈍い痛みがする。しかし以前のような鋭い刺すような痛みはなくなっている。
 ヘルペスによる24時間のだるさ・耳鳴りが続く。


 <3ヵ月と4日目>(10/7/25)

 いまシンドいのはヘルペスによるだるさだけだ。
 クローン病の症状としては、下痢と痔瘻(じろう)と腹部膨満だけで、生活の不便はあるが痛みは消えている。出血もまったくなくなった。下痢の回数、膨満は以前の8割だが、下痢は硬くなってきているため体感としては半減、オナラも出やすくなっているためこれも半減したかんじ。逆に、痔瘻のウミは増えてきている。
 間質性肺炎と思われる咳も減り、呼吸が以前よりもラクなかんじ。痰は出続けている。

 (この日記、もうちょびっとだけ続く。)


 ※松本医院での診療を希望される方は
  松本医院ホームページ http://www.matsumotoclinic.com
  熟読のうえにも熟読されてからになさいますよう、
  お願いいたします。




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 ◆ 編集後記
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 われながら2年前の日記をみると感慨があるなぁ〜。漢方の効果がてきめんに現れていた時期だ。

 まさかこのあと、地獄のリバウンドが待っていようとは。



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こ、これがリバウンドというものかあ [2012年04月18日(Wed)]

 よくなっているんだか、悪くなっているんだか、たぶん、どっちも混じりながら進んでいるのですけれど、それにしても出口が見えない、やっぱり難病の治療。さて、それから、どーなった?




 ◆続・クローン病中ひざくりげ(4)
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 <治療開始4ヵ月と7日目>(2010/7/28)

 漢方を始めてからというもの、あれほど困っていた食欲が爆発しなくなった。
 体重がわずかに減り、49.2kg。


 <4ヵ月と14日目>(10/8/4)

 おしりから出ているウミがいくらか減ったか。
 かわって、しばらくよかった下痢が少し増えたかんじ。大腸の決まった場所を便が通過するとき鈍く痛むのも続いている。
 それと、ヘルペスによるだるさがさらに激しくなった。

 体重がまた減って、48.0kg。食欲が落ち着きすぎたか。


 <4ヵ月17と日目>(10/8/7)

 先生にお電話。
 おなかが痛くなったことを告げると、ストレスがいけないとのことだった。

 このごろ、とにかく激烈なだるさで、焦っている。仕事ができない。毎日の締め切りがあるというのに、朝起きるとだるくて動けない。体が「休め」と言っている。
 休めば、治りは早まるだろう。だが、その体の声を無視して、全力で体にムチ打って起き、机にどっかりと倒れるように座りこみ、パソコンの電源をいれるのだ。
 だるさが激化したあたりから仕事が遅れはじめた。いま、その遅れを取り戻そうと、そのときよりもひどいだるさを押して仕事している。

 そして最近、腹痛が戻ってきてしまった。
 せっかく現れていた顔面の赤いプツプツも、引っこんだ。
 だるさとの戦いで、自分で免疫を抑制してしまっているのだ。

 とはいえ、仕事はしなければならない。しかし体が動かず、追いつかない。寝ているときも、ふと気がつくと仕事のことを考えている。いけない。これでは、24時間、免疫を抑えてしまう。
 ここまでヘルペスとの戦いが強烈になるとは思っていなかった。

 そこで今は、あえて体にムチを打ちまくって、仕事の時間を増やそうと思う。1ヵ月くらいブッ倒れていても仕事も生活も回る状態をつくりだせば、ストレス源も除かれるだろうという作戦である。


 <4ヵ月と27日目>(10/8/17)

 パンツにおしりからのウミがつかなくなっている。
 顔のプツプツもまた出てきた。
 おなかは、やはり便の通過時に決まった箇所が痛む(横行結腸※ 中央と下行結腸※)。
 終日だるい。

 ※筆者注……横行結腸というのはおなかの右上から左上に走る大腸、下行結腸というのは左上から左下におりる大腸のことです。


 <4ヵ月と28日目>(10/8/18)

 湿疹が多く出る。しかもこれまでと違ってかゆみを伴っている。


 <5ヵ月と9日目>(10/8/30)

 きのう、ひさびさに38.6℃の熱がでた。2年ぶりくらいか。下血もあり。
 けさ起きると36.9℃に戻っていて、夕方になると37.2℃、夜にまた上がって37.8℃。

 熱っぽさは最近ずっとあったのだが、おかしいなと思って計ってみたら、この熱だ。この治療をはじめる以前にも、こんな状況が毎日続いた時期があった。しばらくおさまっていたのだが、また毎日発熱するようになってきたのか?


 <5ヵ月と10日目>(10/9/1)

 血液検査の結果をきくため、先生にお電話。
 IgG抗体が減ってきており、間質性肺炎もよくなっているとのこと! うれし〜!
 熱がでて血が出ていることを報告すると、抗生物質を飲むようにとのこと。

 なお、体重47.6kg。じりじり減っていますなあ。


 <5ヵ月と27日目>(10/9/18)

 このごろ夜中に下痢で目覚める回数が1回だけになっており、それだけでも喜んでいたが、昨夜、ついに一度も目覚めず朝まで熟睡できた。なんと目覚めのよいことか。こんなに疲労感の少ない朝は、いつ以来か!


 <6ヵ月と21日目>(10/10/12)

 このごろ、おなかの痛みはいつもの箇所を便が通過するときだけだ。発熱もない。
 ヘルペスの執拗(しつよう)なだるさもいくらか軽減したような気がする。神経痛はめったになくなっている。


 <7ヵ月と10日目>(10/11/1)

 最近、すこし悪化させてしまった。
 ヘルペスのだるさで遅れた仕事を、焦りながら取り戻したせいだろう。
 しかし休むわけにもいかない。仕事をうまくやらねば。

 腹は、下行結腸が便の通過時のみ痛む。出血はない。
 下痢は1日10回未満になっている。たいていはやや硬い便がちぎれちぎれに出る。まれに泥状になる。

 心配していた熱であるが、ときどき夕方に37.1℃まで上がるていど。

 体重47.1kg。


 <8ヵ月と17日目>(10/12/8)

 4度目の松本医院。
 私の、心の持ちかたを、何とかしないと、絶対に治らないとのこと。温かいお叱りと励ましをいただいた。

 CRP※ 8.33(正常限界値の約28倍)、血沈※ 54、いずれも高い、リバウンドしている、栄養状態もそんなに悪くない、貧血もたいしたことないとのこと。

 ※筆者注……いずれもクローン病の進行度を示す値。

 私は今の自分を現状どおりに受け入れないといけない。
 これについてはまた書こう。

 体重46.0kg。


 <8ヵ月と22日目>(10/12/13)

 腹痛が、とくに夜中にひどく、1時間に1回ほど目が覚めてトイレに行っている。こんなふうだから肛門の痛みもひどい。
 頬がこけてきたのに気づき、体重を計ってみたら44.6kg。
 松本医院ホームページに掲載されている別のかたの手記にあったとおり、座っているだけで息切れすることがある。これは松本医院で治療を始める前の状態に近い。

 ただし、ヘルペスで一日中だるく、体温も高めと、確実に免疫力は上がっている。その点が違う。
 心を正しく持ち、免疫力を下げないようにしていけばよい。


 <8ヵ月と24日目>(10/12/15)

 近所の病院で、あまりにもエレンタール(栄養剤)をすすめられるので、松本先生にも「エレンタールは飲んでもよい」と言われていることだし、ありがたく頂戴することにした。
 これで体重を元に戻しなさいということである。


 <8ヵ月と26日目>(10/12/17)

 血液検査の結果、その2。
 ひきつづきIgGの世界にとどまってしまっている、減るべきコルチゾール※ が増えてしまっている、

 ※筆者注……別名ステロイドホルモン。免疫をおさえている元凶。

 栄養状態はそんなに悪くない、肺サーファクタント※ は下がり、間質性肺炎については怖くなくなったとのこと。

 ※筆者注……肺炎の度合いを示す値。

 私は何かと戦っているのでそれをやめるようにとのこと。いいかっこをやめること。


 <9ヵ月と20日目>(11/1/10)

 昨晩、猛烈に腹が痛かったとおもったら、午前中に潰瘍(かいよう)ばかりの排泄物※ が4〜5回たて続けに出た。

 ※筆者注……明らかに便とは違う、まっ白い、固まった痰のような排泄物。腸壁の潰瘍がはがれ落ちたものと思われる。

 松本医院での治療の前からなのだが、ひどい時期が続くと、こんなことがある。よくなっているからなのか、悪くなっているからなのか?


 <10ヵ月と6日目>(11/1/27)

 体重43.2kg。BMIが15を切った……。


 <10ヵ月と18日目>(11/2/8)

 体重42.5kg。BMIが14を切った。
 夜、熱37.7℃。
 下痢1日30回(うち就寝時10回)。


          ◇


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 ◆ 編集後記
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 日記はいったん、ここまでです。ここから、とんでもないことが……。





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私はきみを死なせたくない [2012年04月28日(Sat)]

 ねえ、きいてきいて!
 この『1日2食の健康革命』が、まぐまぐさんの『アルファメルマガ』で紹介されたよー♪
 http://www.mag2.com/o/alpha/2012/0412.html

 わ〜い!
 『1日2食の健康革命』が、じつにッ! じつに懇切丁寧に紹介されているッ!
 記者さんと私(松井)とのインタビューも載ってるぞ。
 「どんなことを心がけてメルマガを書いていますか?」
 とかの質問に答えてます。かなり、まじめくさって回答してます(笑)
 よかったら読んでみて♪
 http://www.mag2.com/o/alpha/2012/0412.html

 なお『アルファメルマガ』に登録するには
  "マイページ" https://mypage.mag2.com
  → "メルマガを読む"
  → "オフィシャルメルマガの管理"
 でできますよ。

          ◇

 では前回のつづき。
 アルファメルマガで紹介されていた1日2食の話では


 あ り ま せ ん 。


 登録したばかりの方は面くらうでしょうか……。
 2食のことは、この話が一段落したらまた書くのですけれど、いまは連載のとちゅうなので、あとの楽しみにとっておいてくださいね〜。

 それではいきます。
 あ、初めての方は、バックナンバーのここから読み始めるとわかりやすくなりますよ。




 ◆続・クローン病中ひざくりげ(5)
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 甲田光雄先生が亡くなられたあとも、私は先生から受けとった治療メニューの紙をみてその療法にいそしんでいた。

 先生のご存命中は、数ヵ月ごとに大阪の甲田医院を訪れ、「うん、よくなっとるでー」とか、「こりゃアカンで」とか言っていただき、いずれの場合でも、それが励みになっていた。
 しかし、先生なきあとは、誰も、何も、言ってくれない。なんともさびしい気持ちであった。
 いや、さびしいだけではなく、だいじな問題があった。
 いまの自分の病状がわからないのである。
 「病状の確認だけは、現代医学に頼らなくてはいけないか」
 そう思い、近所の病院に足を運んだ。

 さいわい、担当医は甲田療法を知っていた。
 「甲田療法で治したいので薬は出さないでください」
 と言うと、その希望に応じてくれた。
 診察は、毎回かんたんな触診(しょくしん)と、ときどきの血液検査ですみ、「よくも悪くもなっていません」と告げられて終わっていた。そして半年に1回、大腸をカメラでみる内視鏡(ないしきょう)検査をした。
 治るまで、この生活を続けるのだ。私はそれで何の疑問も持っていなかった。

          ◇

 気持ちが一変したのが、平成22年4月のことである。
 松本仁幸医師と出会って、クローン病の謎がすべてとけた。
 同時に、病状は血液検査で完璧にわかるので内視鏡など不要であるという事実、さらに一般的におこなわれている医療は受ければ受けるほど病気が治らなくなるという現実も知ってしまったのである。

 それからは近所の病院へ向ける足が重くなった。どうしたらいいかわからないまま、その病院の診察室に入った。
 「えーと、では松井さん、いま体重は」
 「42.5キロです」
 「あ、減りましたね。便はどんな便が出ますか」
 「軟便で、ときどき泥状です」
 「血便は?」
 「うすくピンク色に血が混じっていることがあります」
 「便の回数は」
 「20回から30回です」
 「ああ、ひっきりなしですね。それじゃ仕事どころでないでしょう」
 仕事はしてます。と言いたかったが、たしかに残念ながら、いまでは横になっているときのほうが多い。

 「では血液検査の結果をみていきましょう。アルブミンが2.6まで下がっています。栄養が足りていません。貧血にもなっています。それとCRP、炎症の値が10.3です。0.3以下でなければならないのが、10.3です。よくこれをガマンしているなあという感じです」
 医師はパソコンの画面から視線を私にうつし、
 「いままでは、様子をみましょうですませてこれましたが、もう悠長なことは言っていられません。命が危ないところまできています。入院が必要です」

 前回も「入院してはどうですか」とは言われていたのだが、今回は語気に迫力がある。
 「入院したら……どんな治療になるのですか」
 「レミケードを点滴します」
 げっ!
 それは、冗談じゃない。
 レミケードとは、一発打てば免疫の動きを8週間ピタリと封じこめるという恐るべき薬である。クローン病が治る希望は摘(つ)まれる。

 「あとは絶食です。栄養は静脈から点滴するのでおなかはすきません。これで炎症がきれいにとれます」
 治るという意味ではない。食事に含まれる化学物質を遮断し、さらに薬で免疫を止めることで化学物質への攻撃もできなくするのだから、一時的にはおさまるのだ。しかし、ひとたび止めた免疫は、薬が切れたあと遅れを取り戻そうと暴れ狂い、そのときの症状は激烈をきわめることになる。
 こんなこと、世界中で松本仁幸医師とその患者しか知らない。一般の医師は、あくまでも善意で、この間違った医療をすすめるのである。

 とりわけ、私のこの担当医は熱血漢であった。
 医師は紙にペンを走らせ、
 「いまの松井さんの腸は……これ、腸の断面です」
 と簡単な図をかき、
 「いまのまま放置すると近いうちに起きるのが、いや、もういつ起きてもおかしくないのですが、腸のなかの炎症が腸の外まで達して、」
 腸が破れた図をかき、
 「細菌が流れ出て、腹膜炎(ふくまくえん)になります。こうなると敗血症(はいけっしょう)になり、待っているのは死です」
 死という字が書かれた。

 「もうひとつ、腸管の狭窄(きょうさく)がおきます。炎症が続いているということは、キズができては治りできては治りしているわけです。すると組織は厚くなってきます」
 腸がふさがった図を新たにかいた。
 「すると食べたものが通っていかず、つかえる。腸閉塞(ちょうへいそく)です。いずれの場合でも緊急手術になります。こういう手術では、助けられるかどうかわかりません。こうなる前に手を打つことが大事なんです」
 「先生、でもレミケードはどうしてもイヤなんです」
 「なぜ?」
 「免疫を落としますから」
 「どんな薬にも副作用はありますよ。どうも副作用を必要以上に怖がっておられるようですが、副作用を怖がるまえに、このままではクローン病で死んでしまいますよ」

 クローン病で死ぬ人は、実際はクローン病そのものでなく免疫を薬で止めてしまったためにそのあとでやってくる免疫の反撃が強すぎて死ぬ、つまり医療行為の反動で死ぬので、ほうっておいたなら死なないのだ。
 しかし医学界には医療行為をほどこしたうえでのデータしかない。ほうっておいたらどうなるかのデータはとっていない。だから、クローン病で死ぬのか、医療行為で死ぬのか、誰も知らない。少なくともクローン病で死ぬとは決めつけられないのである。
 それに私が恐れているのは副作用ではない。そんなものはどうでもよい。薬を使えばクローン病は治らなくなるのだ。

 が、そうは言えない。
 「私は免疫力を上げ続けて、それで治したいんです。だから、下げるものはすべてイヤなんです」
 「免疫っていってもねえ……。松井さんの場合、免疫が強すぎて腸に炎症がおきているんですから。免疫というのは必ずしもいいものではないんですよ。そもそも免疫というもの自体、つかみどころのないものでね」

 免疫ほど整然と秩序立ったものはない。自分に対して100%よいことしか行わない。生物が38億年滅びずにやってこられたゆえんがそこにある。
 それと、私の免疫は強くない。弱り切っている。リンパ球がふつうの人の15%しかない。死にぎわの老人レベルである。だから、ふつうの人なら起こせるはずの "クラススイッチ" が起こせずクローン病になっているのだ。

 が、そうは言えない。
 「……」
 私が言葉を探っているうちに医師が語りだした。
 「あと、私は東洋医学や民間療法はそうとう調べましたよ。もしかしたら何か、効くものがないかと思ってね。でも、ない。全然ない」
 ああ、それでは私がいくら話したところで愚かな患者の戯言(ざれごと)だろう。

 この医師は、人格者である。患者自身の方針を尊重もしてくださる。しかしそれは、患者が自分を死ぬまで治らぬ難病と認めたくないために必死にあがいて希望を探している、そのムダな努力を、あくまでも希望をつぶさないために尊重してくれているのであって、あくまでも医者は医者、患者は患者、医者はつねに正しく、患者はつねに愚かなのだ。

 「入院は……いまここで決めないといけませんか」
 「いますぐでなくてもいいですが、きょう明日には決断してくださいよ。それほど急を要する状態だということです。私は、きみを死なせたくない」
 最後のひと言は、ずしりと胸に響いた。心がこもっていた。

 (つづく)




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 ◆ 編集後記
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 こんなときって、どうしたらいいんですかね〜?
 私はとんでもないことをしてしまいました。また次回。




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