ターミネーターを始末する方法 [2012年03月01日(Thu)]
前回、「難病の原因」をおさらいしました。 からだの中で【 免疫 】が【 化学物質 】に戦いを挑んでいる状態、これが「難病」なのでしたね。 きょうは、「難病の完治のさせ方」の復習です。 ◆免疫は絶対に自分を殺さない  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 「からだの中に異物があったら殺す」というはたらきが、免疫です。 ということは、最初から死んでいる化学物質が相手だと戦いが終わりません。 松井の場合、この戦いが、腸で起きています。これをクローン病といいます。腸の粘膜にくっついた化学物質を、私の免疫クンは 「異物発見! 細菌かウイルスかもしれん、殺そう」 と、ここ9年間がんばり続けているので、死んでいる化学物質は死なず、かわりに、戦いの場所である、生きた腸粘膜の細胞のほうがどんどん死んでるってわけ。 こんなことをしていたら、体は、死なないまでも、とても危険です。 そこで、「死なない異物は殺さず外に出す」という機能が、免疫にはシッカリそなわっています。「免疫が弱っていなければ」という条件つきですが。 ではここでッ! 前回に引き続きィィィ〜、 タ〜イム・ニショック! この「殺せない異物は外に出す」ために免疫が持っている機能とは、何だったでしょう? (1) クラススイッチ (2) クラスチェンジ (3) 早くこいこいクラスがえ 答えは…… (1) クラススイッチ (2) のクラスチェンジは、似ていますが、「まじゅつし」が「まどうし」になったり「ソシアルナイト」が「パラディン」になったりするアレなので、惜しいところでしたね。ゲームやってない人には何のことか意味不明です。ごめんちゃいなボーンチャイナ♪ 免疫が異物を殺す武器は、【 IgG抗体(アイジージーこうたい) 】といいます。 しかし、免疫は 「こいつ死なねーや」 と学習すると、武器をIgG抗体から【 IgE抗体(アイジーイーこうたい) 】に切り換えます。 この "G" とか "E" を抗体の "クラス" といって、これが切り替わるから【 クラススイッチ 】というのです(ちなみに "Ig" がイムノグロブリンの略で「抗体」という意味)。 IgE抗体には、殺傷能力はありません。異物を体外に追放するのが仕事です。このとき体は「かゆい!」となります。 免疫がこのIgE抗体でエンエン戦い続けているのが、アトピーに代表される【 アレルギー 】なのです。このクラススイッチができれば、私のように「痛い!」という病気、つまり【 膠原病(こうげんびょう) 】にはならずにすみます。 しかし、かゆいのも、痛いのに劣らず苦しいもの。かゆくて死ぬということはありませんが、死ぬほど苦しいし、実際、薄くなった皮膚からは菌がかんたんに侵入してくるので、命が危ないことにはちがいありません。 そこで、免疫が用意している最後の切り札がある。 殺しても死なず、出してもあとからあとから入りこみ続けてキリがない相手だとわかってくると、 「こりゃ意味のない戦いだわ」 と学習し、戦いをやめてしまうのです。 ここで! タ〜イム・ニショック! その機能とは何だったでしょう? (1) 免疫寛容(めんえきかんよう) (2) 免疫って何よぅ (3) もしもしカメよカメさんよぅ 答えは…… (1) 免疫寛容 どうやら (1) しか答えがないクイズだとバレつつありますが、気にせず進みましょう。 「この異物は無害だ」 「この戦いも、まったく無益だ」 と学習すると、免疫は戦いをやめてしまうようにできています。 これが【 免疫寛容 】で、これが起きればアレルギーも膠原病も治ります。 このように、38億年かけて進化してきた免疫はダテじゃなく、自分に備わっている防衛システムで自分を殺すことは絶対にないようにできているのです。 でも、そのわりには、難病になる人は増えています。なってしまうと、一生、苦しみ続ける。 この38億年の進化に人類が立てつき始めたからです。 ◇ きょうの話は、この図の右上から下半分にかけて見てもらえればわかりやすくなるかと。 http://www.2shock.net/img/chart2max.jpg ではまたっ! ┏━ きょうのニショックイズ ━━━━━━━━━━━┓ 免疫は、化学物質を殺そうとして膠原病を起こすが、 殺せない異物だと学習すると抗体の( ) をして膠原病をアレルギーに変え、 さらに、戦い自体に意味がないと学習すると ( )を起こしてアレルギーを治してしまう。 答. クラススイッチ 免疫寛容 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ◆ 編集後記  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 『ファイアーエムブレム』でいちばん好きなユニットは「ようへい」で、クラスチェンジした「ゆうしゃ」よりも好きでした。 オグマ先生がとりわけ好きでしたが、アイラ女史はもっと好きでした。 ◆このブログは メールマガジンの記事をアップしたものです。 最新の記事は、メールでお送りしています。 無料購読は今すぐここをクリック |