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松井 二郎
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頭を床に、尻を上げて、オナラ体操第1♪ [2015年05月18日(Mon)]

  ◆続・クローン病中ひざくりげ(113)
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 だるい。またしても、重力10倍、体が布団にめりこんでいるようだ。
 熱がひどい。昼から夕方にかけてじわじわ上がってきて、夜に38度台後半となる。これもしばらくおさまっていたのに。
 スーッと鼻水もたれてくる。のどは痛くないので風邪ではなかろうが、まるで風邪を引いたみたいだ。

 この状態が1週間ほど続いた。松本先生にご報告すべきか、と思っていたら、
 「なんだこれえ?」
 両腕に、びっしり湿疹が出ている! これは……アトピー? 首から下にアトピーが出るのは初めてのことだ。
 数日すると、腕のアトピーは引っこんでしまった。すると風邪のような症状も消えた。

 そのまた数日後。
 「えっ? えええ? なんだあ?」
 体がいきなり宙返りした、ような感覚があった。めまいだ。それも強烈なやつである。まるでムーンサルトしているみたいだ(したことないが)。起き上がろうとしても、
 「うわっ」
 だめだ。天井が一回転してしまう。危ないのでトイレには這い這いでかよった。
 口内炎もひさびさにできた。それも、かつて経験したことのない、いちどに複数の口内炎だ。のどの奥がとくにひどい。水を飲んでも痛い。唾(つば)を飲んでも痛い。しゃべっても痛い。

 これらもまた1週間ほどでおさまった。するとこんどは、──オナラがすごいことになってきた。

          ◇

 異常にオナラがたまることは前にも書いたが、ただでさえ異常だったのがそれを上回る奇怪さになった。
 ぶっ続けで5時間も6時間も出るのである。
 しかもそれは、疲れたからそこで休憩をいれるだけのことで、しようと思えばもっと続けることができる。

 疲れる、というのは──腸が弱っているためか、座った姿勢ではプスッともいわない。四つん這いになり、頭を床につけ、膝(ひざ)を立て、尻をなるべく高く上げると、ようやく出てくる。この格好を5時間とか6時間とか続けるのである。
 おなかは、ぽっこり、どころでなく、まるで妊婦、それも双子でも入っているようだ。こんなときは腹痛もすさまじい。気がおかしくなりそうなほどである。
 一刻も早くこの張りをなくさねばならないのだが……2時間、3時間オナラをして、腹をみてみる。まったくへこんでいない。5時間、6時間やって、こんどは、どうか。ようやくちょっとはへこむ。
 このちっちゃいおなかにいったい何リットルのガスがたまっているのだ? いや、これはどうやら、出しても出しても、出しているそばからガスが発生するためエンドレスに出るのだ。
 どうやら食事をするとそれを消化しているあいだじゅうガスを生じるらしい。その理由は、何だ?
 臭くはないから、ウェルシュ菌が作っているガスとはおもえない。抗生物質フラジールを飲んでも何も変わらないことからも、ウェルシュ菌の線は薄そうである。
 ではただの消化不良か。食事を早く下痢として排泄しようとする力となんとか吸収しようとする力とがせめぎ合い、中途半端に消化された食事が異常発酵しているのかもしれない。でも、なぜ急に? う〜ん、わからない……。

 オナラは、いつ一緒に「現物」が伴うとも知れないので、トイレに入ってしなければならない。一日合計すると7、8時間くらいはあの格好でトイレにいる。
 いよいよトイレが住み家になってきた。

          ◇

 「食事を減らそう」
 食事がガスになっているのなら、それでおさまるのではないか。
 もっぱら栄養剤で一日を過ごすのだ。食事は夕飯をごく少量、あくまで楽しみとして摂るだけとする。

 ただ、ひとつ問題が。この栄養剤“エレンタール”、かえって下痢が悪化するのだ。
 副作用の記述をみると、しっかり「下痢」と書いてある。下痢のひとに与える栄養剤の副作用が下痢とは意味不明である。
 しかしこの問題も、だんだん対策がわかってきた。
 まず、ガブガブ飲まないこと。なるべく小分けにチビチビ、時間をかけて飲む。これでも下痢は悪化するが、いくらかマシになる。
 つぎに、味つけのための専用の粉、これを使わないこと。栄養剤の味の悪さを紛(まぎ)らわすためのものであるが、この粉、食品添加物だけでできている。化学物質のかたまりである。これをやめることでも下痢が軽減する。味の悪さは市販の果汁100%ジュースを加えてごまかすこととする。
 同様に、専用の「ゼリーミックス」も禁止すること。飲んでばかりだと悲しくなる栄養剤を噛んで食べられるようにしてくれる魔法の粉だが、これもほぼ化学物質。以前は固形化することで下痢の改善をはかったものだが、液体のままでもチビチビやれば軽減するとわかったのだから、もう必要ない。
 これでもう、だいじょうぶ!

 と思っていたが……。

          ◇


 2014年7月(治療開始から4年2ヵ月)。

 血液検査があった。

  CRP 2.9

 あ、悪化してる……。炎症がひどくなっている。
 「いま体重は?」
 「43キロです」
 ウソの申告である。ほんとうは41キロに減ってしまった。オナラが異常極まるようになってから食欲がガタ落ちしたのだ。

  アルブミン 2.9

 これも悪化だ……。栄養がとれていないことを意味する。
 これはいったいどうしたことだ? 栄養剤ばかり飲んでいるというのに……。
 まさか!
 栄養剤のせい?

 (つづく)




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 ◆ 編集後記
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 このポーズ、腹が張って苦しいのにガスが出ないひとにおすすめです。





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