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松井 二郎
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CRPキター! [2014年05月20日(Tue)]

  ◆続・クローン病中ひざくりげ(80)
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「う〜ん、だるい。なんだ、この異様なだるさわぁぁぁ」

 最近までちょっとだけ体調がよく、このまま右肩上がりでよくなっていくかと思ったら、ストン、と暴落した株価チャートのようにまたしてもひどくなった。“フラジール”を飲んでいるのに、腹痛も下痢もひどく、特に、だるさがふつうじゃない。寝ている体がそのままフトンの中にずぶずぶ沈んでいくようだ。

          ◇

 じつは漢方薬がすべて変更されたのである。食前の漢方が、アトピーを出すためのものに。食後の漢方が、これは引き続き痔瘻のためのものだが、新しいものへとバージョンアップされた。その影響なのか?
 参考までに漢方薬の内容を書いておこう。あいかわらず、ようわからんが。

 <食前>
 ・花扇タイソウ……ナツメの実、強壮、緩和
 ・高砂ショウキョウ
 ・花扇カンゾウ……マメ科、バッファー作用、平滑筋弛緩作用
 ・高砂ショウマ……サラシナショウマの根、脱肛に働く
 ・高砂サイコ……サイコの根、抗炎症、胸脇苦満が目標
 ・花扇オウギ……オウギの根、脱汗を止める、皮膚をしめる
 ・花扇チンピ……ミカンの果皮、健胃、消化、きょ痰作用
 ・花扇トウキ……セリ科トウキの根、血管拡張剤、血の循環をよくし貧血
を治す
 ・高砂ニンジン……オタネニンジンの根、強壮、健胃、強精作用
 ・花扇ビャクジュツ……オケラの根茎、健胃作用、温性利尿

 <食後>
 ・高砂ニンジン……オタネニンジンの根、強壮、健胃、強精作用
 ・花扇オウギ……オウギの根、脱汗を止める、皮膚をしめる
 ・花扇センキュウ……マルバトウキの根茎、のぼせをとり充血を去る
 ・花扇ハマボウフウ……セリ科の根、発汗、解熱、鎮精
 ・高砂キキョウ
 ・花扇コウボク……ホオノキの樹皮、利尿、きょ痰、収敏
 ・花扇ケイヒ……肉桂の樹皮、のぼせをとる、発汗、血の循環をよくする
 ・花扇トウキ……セリ科トウキの根、血管拡張剤、血の循環をよくし貧血
を治す
 ・花扇カンゾウ……マメ科、バッファー作用、平滑筋弛緩作用
 ・高砂ビャクシ……鎮静

          ◇

 新しい漢方薬を飲みはじめて2週間ほどたっていた。
「ん? これって……アトピー増えてるよな」
 洗顔のために洗面台のまえに立つのもひと苦労だが、鏡をみると、顔がいままでよりもいっそう赤くなっているのに気がついた。脂肪もふたたび噴き出すようになっている。頭皮もすごい。髪をかきわけてさわってみるとブツブツだし、朝に洗っても、午後にはもうフケが出ている。たぶん顔と同じことになっているのだろう。
 それと痔瘻のほうだが、なんとなぁーく、症状が落ち着いてきた気がする。まだまだ痛いが、出てくるウミの量が少し減ったようだ。ただ、これまでも、軽くなっては重くなり、をくり返しているので、まだなんともいえない。

          ◇

 そして、ますますだるくなった。仕事をしようと、フトンの上に腹這いでノートパソコンをひらくのだが、そのままフトンに突っ伏してしまう。治療をはじめてから一番ひどいかもしれない。
 これは、よくなっているからこそ、なんだよなあ。いつも、それが、不安である。免疫は、目じゃ見えないから。

          ◇

 2013年8月。

 また血液検査の日がやってきた。よくなっているか、どうか。数字ならば、目で見える。
 本日、注目したい値はCRP(シーアールピー)である。これは血中のあるタンパク質の濃度で、炎症がひどいほど高くなる。ふつうの人は0.3以下で、これが正常値とされているが、ここ数年ずっと10とか8とかだった。それが前回ついに、2.6という驚異的な下がり方をしたのだ。これが今回どうなっているか? 
「でもなあー。あんまし期待はできないよな」
 なにしろ、ひどい体調だったからな。ま、上がってなければ御の字。現状維持できていたら上出来ってところだな。

          ◇

 いつもどおり、検査室で血を採って、担当医の待つ診療室へ。いつもどおり、体調はどうか、体重は、などの受け答え。
「血液の数値のほうですが、」
 いつもどおり、アルブミンは、鉄は、など順番に解説が加えられ、そして、
「CRPは、」
 一瞬、間があった。
「……きょうは1.0ですね」
 いっ、い? い、

 いってんゼロぉぉお?

 そんな。うそだろ。マジかよ?
 見ると、モニターにハッキリ「1.0」と表示されている。マジだ……。
 き、き、ききき、


 キターーー v(・∀・)v ーーー!!


 きた、きた、きちゃった、きちゃったよ奥サン! 松本医院で「治りました」の手記を書いている人たちと、この値だけに関しては、同じレベルまできちゃったよー! ヤッホー! ヨホホー! ウホホーイ!
 こんなの、クローン病がひどくなってからというもの、初めて見た数値である。10年。10年かかった。とうとうここまで、きた。

          ◇

 そうだ、リンパ球の数も気になるところだが……どうなった?

 <前回>
 白血球の数 4800個/μl
 うちリンパ球の割合 19%
 よって
 リンパ球の数
  4800×19%
 =912個/μl

 <今回>
 白血球の数 5300個/μl
 うちリンパ球の割合 16%
 よって
 リンパ球の数
  5300×16%
 =848個/μl

 ありゃ。こっちは増えないといけないのだが……ビミョーに減ってる。前回が上がりすぎたので、横ばいといったところか。
 だるさの激化は、免疫が上がっているからだと思うんだがなあ。じっさい、炎症がおさまってきている。化学物質との戦いは、もう終わりかけているんじゃないのか? それでもあいかわらず腹痛も下痢もひどいのは、ヘルペスとの戦いが続いているからなのでは。つまり、目指している免疫寛容はすでにかなりのところ達成されつつあり、残るはヘルペスを神経節の奥へ封じこめるだけなのではないか? ま、その「だけ」がタイヘンなのだが。
 気になるのは――数値では明白な改善があるのに、クローン病の症状としてはあまり代わり映えがしないことだ。ピーク時に比べれば軽くなっているものの、とくに下痢にあまり改善がみられない。うーん、この下痢はいったい何を排泄しようとしてるんでしょーか。

          ◇

「先生、ようやくCRPが1になりました!」
 さっそく松本先生にご報告した。ふっふっふ。さぞ驚いてくださるだろう。
「はい」
 先生は、ただそう返事された。きわめてふつうの口ぶり。
 あ。そうか。そうだった。私にとってはびっくり仰天の変化だけれど、先生にとっては、あったりまえのコンコンチキの話であるのだ。
「近くの病院で(血液検査を)やったわけやな。もともと高いときはどこまでいった?」
「10こえてました」
「むこうもちょっと驚いてたんじゃない?」
「はい、へんな顔してました」
「してたね」
 うん、それでもやっぱり、すごいことが起きたことはまちがいないのだな。

「あと、きみの自覚症状は? ちょっとはラク?」
「それが、だるさがまた一段とひどくなっています」
「免疫が上がってるからや、しんどいのはヘルペスやで」
 やっぱり! よかった!
「あと、痔瘻が軽くなってきた気がします」
「うん、痔瘻軽くなるやろー、クローン病も治るでー。フラジールはどういうかんじ?」
「あいかわらず効いているかんじです」
「そういうことやね、だから、きみが免疫おさえてるあいだに増やしたウェルシュ菌や、それがものすごいわけや、いま下痢も出てるやろ? 同時にそれを排除しとんのや」
 そうかぁー! 下痢はまだ続いてていいんだ。
「ぜったい治してあげるから」
「はい!」

          ◇

 その後の変化。
 フラジールは初めて飲んだときほどの劇的な効き方はしなくなった。それでも飲む前とは比べるべくもなく良い。
 体重は増えてこない。現在44.0キロ。減らなければ、よいのだ。いまはこの体重でいいのかもしれない。
 なお食事は、午前は水分のみ、昼はエレンタール(栄養剤)600キロカロリー、ときどきエレンタールを減らして軽食、夕食はふつうの食事を少なめにとっている。
 だるさとアトピーは激化。だるいけれど、1日1〜2分、外へ出て歩いている。リハビリ、リハビリ。本格的なリハビリは、治ってからだが。
 そして、痔瘻。痛みもウミの量も減ってきた。出血はここ半年くらいはなく、これはもうおさまったものと見てよさそう。ずっと軽くなったり重くなったりをくり返してきたが、新しい漢方を飲みはじめてからは軽い状態がいままでよりも継続するようになった。もしかしてこのままよくなっていくのか?
 痔瘻がよくなってくれたら、かなりうれしい。いま“ほぼ寝たきり”なのは、激烈なだるさもあるが、痔瘻が痛くてイスに座れないからなのだ。痔瘻さえよくなれば、座って一日を過ごせるようになる。人間らしい生活が帰ってくる。
 いまのわたしの夢は――ふつうにイスに座ること、である。

 (つづく)


 ※松本医院での診療を希望される方は
  松本医院ホームページ http://www.matsumotoclinic.com
  熟読のうえにも熟読されてからになさいますよう、
  お願いいたします。




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 ◆ 編集後記
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 家の中で、移動は匍匐(ほふく)前進が多いです。
 おれは訓練中の自衛官か!





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