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松井 二郎
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新章開幕☆退院して、そ〜れから? [2012年10月10日(Wed)]

 きょうからまた『クローン病中ひざくりげ』再開です。
 では、さっそくど〜ぞ☆




 ◆続・クローン病中ひざくりげ(22)
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 2011年7月(松本医院での治療開始から1年2ヵ月)。

 退院して3ヵ月がたった。
 あれから体重は順調にふえ、48キロにまで回復していた。

 アトピーは、進まなかった。
 退院時からブツブツの量に変化がない。アトピーが出ている箇所も、顔だけ、限定である。
 「クラススイッチは止まっちゃったのか?」
 いや、免疫力は上がり続けているはず。その証拠に、全身が激烈にだるい。24時間、耳鳴りもしている。ヘルペスとの戦いも激しさを増しているのだ(「ヘルペスって何だっけ」という方は、バックナンバー "化学物質だけが難病の原因ではない" をご参照)。

 退院時、おさまっていたおなかの痛みも、じわじわ復活してきていた。

          ◇

 おしりのキズは、まだ治らない。
 入院する前、死ぬほど痛かった "肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)" 、ようするに肛門のまわりが膿(う)んでしまう、クローン病の合併症であるが、おしりの皮膚が破れ、ウミが一気に流れ出て、「死ぬほど」の痛さではなくなった。
 が、このまま治っていくのかと思いきや、傷口からいつまでもウミが出ているのだ。けっこう、いや、かなり痛い。少なくとも、思わず叫び声があがる程度には痛い。

 このキズは、直腸からおしりの皮膚までトンネル状にできている。
 さきほど「クローン病の合併症」だと書いたが、正確にいうと、クローン病で直腸にできたキズ(かいよう)が進行し、腸壁を突き破り、皮膚まで達したものなので、クローン病の一部、というより「クローン病そのもの」である。だから、クローン病を数年やると、たいていおしりにトンネルができてしまう。
 このトンネルを "痔瘻(じろう)" という。俗に "穴痔(あなじ)" というやつである。

 この穴、痔瘻(じろう)から、つねにウミが出てくるのだ。退院して3ヵ月、でろでろ出続け、おさまる気配がない。
 しかたないので、オッサンパンツ(ブリーフ)を数枚買って、さらにガーゼを買って、ガーゼでナプキンをつくってパンツに貼りつけ、着用している。
 だれか教えてくれ。おれは、オッサンなのか、オネエなのか。

 このウミのせいであろうか、午後になると熱がでてくる。
 たいていは37℃後半、ときに38℃台まで上がる。眠って朝になると、平熱にもどっている。ここしばらく、これのくり返しだ。

 「もしかして、クローン病が治るまで待つしかないのか」

 この痔瘻(じろう)、クローン病の合併症ではなくクローン病そのものだということは、痔瘻だけが治るとは考えにくい。クローン病が治ってから穴がふさがると考えるのが自然である。
 それなら、のんびり構えるしかない。
 引き続き、漢方薬と鍼灸(しんきゅう)を、ちんたら続け、パソコンで仕事もしていた。

 仕事するときはフトンの上に腹ばいになる。痔瘻が痛くて、座れないのだ。
 仕事するときだけでなく、ほぼ一日じゅう、フトンと友達になっている。座れないことがこんなに不便とは知らなかった。

 立ち上がったり歩いたりするのは、しんどい。
 ひどいだるさのせいもあるのだが、おしりのキズはジッとしていても痛く、動くとなお痛いのだ。
 穴があいているのは肛門のすぐそば、左側。左足に力をいれると「ズキッ」とくるので、もっぱら右足にたよって生活している。歩くのはトイレに行くときくらいだが(といってもこのトイレが1日20回近くである)、左足はほとんど杖と化し、右足だけで歩いていくかんじである。

          ◇

 で、さらに1ヵ月後のこと。

 「あれ? なんだこれ……まさか」

 肛門のすぐそば、右側に、身におぼえのある違和感を感じた。さわると、
 「痛い!」
 しこりができている。おしりの左に "肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)" ができたときと同じ初期症状だ。

 あの地獄の痛みの日々が、また、おそらく来るのだ。
 「なんてこった……」
 そしたら、右足も使えなくなるのか。
 いまでさえ、ほぼ寝たきりなのに、そうなったらどうなるんだろう。

 (つづく)




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 ◆ 編集後記
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kao07.jpg 千里の道の、一歩が遠い。





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